人の手による半田付けですので、いろんな不具合が発生します・・。 

単なる作業のミスだけでなく、部品の問題(酸化や変質)、ハンダゴテのパワー不足や
コテ先温度の設定の不適合、
コテ先の形状の選定ミスなどさまざまな要因があります。
下記に、一般的な不良症状とその原因・対策について記すのでご参考までに・・。

こちらもご覧下さい。NPO日本はんだ付け協会 
はんだ付けの品質基準について (たたき台として)
挿入部品(アキシャル・ラジアル)
表面実装部品
コネクタ端子

 
不良項目 実例 定義 原因 対策

はんだ忘れ未はんだ

はんだ付けすべき箇所に半田付けされていない。
  • 単なる忘れ/ポカミス
  • リード線に不純物が付着
  • 部品密着による ガスたまり
  • フラックスの未塗布
  • ポカよけ作業の徹底
  • 作業者の手の洗浄。指サック/手袋の装着
  • 部品の腰浮かし
  • フラックス塗布方法の変更

半田付け不完全

(濡れ不良)

外観上は半田付けされて見えるが電気的接続が不完全または全くない。
部分的にしか半田付けされていない。
引っ張ると 簡単にはずれる。
  • はんだ付け部の 酸化物残り
  • コテ先の掃除不足
  • 半田付け温度不足
  • フラックス不足
  • コテ先の掃除頻度の見直し
    基板/部品端子の酸化
  • 加熱時間が短い

はんだ濡れ不良

外観上は半田がきれいに付いているが電気的接触が不完全または全くない。
引っ張ると簡単にはずれる。
  • コテ先が電極に当たっていない
  • はんだ付け時間(加熱)不足
  • リードの酸化/汚れ
  • コテ先を的確に電極に接触させる
  • 半田付け時間コテ先温度の見直し
  • 手の洗浄。部品メーカーへの対策依頼

半田ブリッジショート

希望しない部品が半田により電気的につながる。
  • 部品リードの 曲げ方向誤り
  • ハンダゴテ操作ミス
  • はんだ量が多い
  • 基板パターン銅箔に沿って曲げる
  • 右利きの場合 半田コテを左から右へ動かしていく
  • 糸はんだ径の見直し糸はんだ送り量の見直し

イモ付け半田
(オーバーヒートによる)

半田本来の輝きとなめらかさ、のびがなくザラザラした粒状を呈している。
  • フラックスが 蒸発してしまった。
  • コテを当てる時間が長すぎ
  • 半田付け中に母体が動いた
  • コテ先温度が高すぎる
  •  
  • 糸はんだの供給スピードを上げて、溶融はんだの温度が上がらないようにコントロールする
  • 半田が馴染むのを目で確認した直後に母体からコテを離す
  • 半田冶具などを用いて母材が動かないようにする

冷接合(不完全接合)

半田付けした表面が波(シワ寄り)を打ったようになっている。
  • 半田付け直後に部品を動かした時
  • フラックスが死んでオーバーヒートを起こしたとき
  • 4~5秒動かさないこと。半田付け冶具を作製し用いる
  • 熱を掛け過ぎないこと

はんだクラック(割れ)

はんだがヒビ割れて導通が悪くなっている。
  • はんだ付け後応力が掛かった場合
  • 振動、熱、ニッパによるリード切断など
  • はんだ付け後に応力を掛けてはいけない
  • 放熱板、ネジ締め、リードカットなどは半田付け前に行う

はんだ量過多

はんだ付け部以外にまで半田が流れ出ているもの
  • コテ先温度高すぎ
  • コテ先の当て方が悪く熱が上手く伝わっていない
  • 半田付け時間長すぎ
  • はんだの供給量が多すぎる
  • コテ先温度340℃で。
  • コテ先の酸化が無いか?
  • コテ先の形状は、的確にリードとランドの両方に当てられるか?

銅箔浮き

基板の銅箔が基材より浮いている
  • 加熱しながら応力を掛けた(WICKなどで)
  • 手直しなどで 基板を加熱しながら部品を動かした
  • 基板のパターンは熱を掛けながら応力を掛けると簡単に剥離してしまう。

半田過少

はんだの量が少ない。銅箔パターンが半田で隠れていない。
  • 糸はんだの供給が少ない
  • 糸はんだの供給量を増やす

半田ボール半田飛散

半田ボール(屑)が半田付け周辺へ飛び散っている。
  • ハンダゴテ温度高すぎ
  • 糸はんだの供給が早すぎて溶融はんだに突っ込みすぎている
  • 溶融はんだに取り込まれたフラックスが急激にガス化してミニ爆発
  • ハンダゴテの離脱スピードが速すぎて飛び散っている
  • コテ先温度の見直し
  • 糸半田の見直し(Vカット 糸半田などの使用)
  • コテ先の操作が早すぎる

リードひげ

半田付けした端子からリード撚り線の端がはみ出している
  • リード線端末処理の不具合
  • リード芯線の跳ねたものは、はんだ付け前にカットする

リード被覆焼け溶け

リードの被覆が焼けたもの溶けたもの(オーバーヒートも併発している)
  • ハンダゴテの当て方が不適切
  • 加熱時間が長すぎる
  • コテ先にリード被覆が触らない方向からコテを当てる
  • 適切な温度条件ではんだ付けを行う
 

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