糸はんだの断面写真

糸はんだは、はんだ付けの業界では「ヤニ入り糸はんだ」
(ヤニ入りはんだと呼ばれるのが一般的)と言います。

外観は金属線または金属の糸のようですが、上記写真の様にこの芯の部分に
フラックスが入っています。

ヤニの由来は松脂(まつやに)からで、いわゆる松脂≒フラックス
が入っている糸はんだのことを指し、一般的には糸はんだのフラックスの
大半は松脂が占めていますので、ヤニの入っている「はんだ」ということで
「ヤニ入りはんだ」と呼ばれています。

カミソリなどで 糸はんだを潰さずにカットすると、その様子が
肉眼(目視)でも見ることができます。
糸はんだの種類によっては、細い糸はんだの中に2本3本の
フラックスチューブが入っているものもあります。
普通に考えるとヤニ入りはんだは外見どれも同じで、
ホームセンターでも安価に入手でき、
どれを使っても変わらないと考える人も多いと思います。

しかし、実はヤニ入りはんだのフラックスにはグレードが存在します。

実はJIS規格で規定されており、JISZ 3283では、糸はんだのフラックスとして 
AA級、A級、B級というようにグレードが規定されており、
当然AA級の方が信頼性などの性能は良くなります。

B級のはんだは、はんだが付けがし易いように活性剤が多く
含まれているものが多く存在しますが、
その分腐食し易い傾向があり、せっかく正しくはんだ付けしても
長持ちしない恐れがあります。

様々なヤニ入りはんだが各社から販売されていますが、
皆さんがはんだ付けを行った部品、電子基板が末長く使えるように
信頼性を求めるなら、JIS AA級のはんだをお勧めします。

厳密に言うとはんだ付け後に無洗浄で使用して良いのは
JIS規格AA級のみです。

また過去にアメリカのMIL規格(米軍規格)でRMAという
無洗浄の規格が存在していたため、
現在でもRMAと称して販売しているはんだが見受けられます。

これらのグレードは、はんだ付け後無洗浄で使用でき、
はんだ付け後のフラックス残渣が安定しています。
ただし、RMAタイプやJISAA級だと活性力がマイルドになり、
特に鉛フリーはんだだとはんだ付けしにくい製品も中には存在します。

昨今各社はんだメーカーで様々な製品が出ているので、
色々と試されると違いが分かると思います。

※著:テリーサ研究所 林 孝之氏

※テリーサ研究所の長谷川会長さんの著書 
「カラー図解 マイクロソルダリング不良解析Q&A」は
 数少ない、はんだ付けの不良原因について解説した本です。
 私もこの本でずいぶん勉強させていただきました。

 現在は絶版になっており入手は困難ですが、こちらにWEB版で復活されています。
 「カラー図解 マイクロソルダリング不良解析Q&A」 復刻版

一般の方のヤニ入りはんだの購入について

一般の方が糸はんだを購入しようと思った場合、まずホームセンターが
思い浮かぶと思いますが、
ホームセンターには、φ0.8~1.2mmの太さしか取り扱いがないことがほとんどです。

実際には、共晶ハンダではφ0.3~2.0mm、鉛フリーハンダでは
φ0.1~2.0mmの太さの糸はんだが市販されています。
特に表面実装部品の実装などでは、0.3~0.5mm程度の糸はんだの方が
使用しやすいためWEBショップなどで購入されることをお勧めします。

弊社の場合、他の電子部品と一緒にここで購入しています。
RSコンポーネンツ

他にもAmazonやモノタロウなどでも購入できます。

注意:購入の際は、太さを確認することを忘れないこと。
   鉛フリー、鉛入りの確認を忘れないこと

例えば、「千住金属 はんだ M705」 は全て鉛フリーです。
「有鉛はんだ」は鉛入り。
「はんだ60//40スズ」や 「スズ鉛はんだ」も鉛入り共晶はんだです。

また、会社にお勤めの場合は、会社に出入りの商社さんや、
工具屋さんに注文すればほとんどのメーカーの糸はんだと
太さの指定が可能です。

しかし、安くなるからと言って一度にあまり多量に購入しないほうが良いです。

※糸はんだにも賞味期限があります。たいてい購入してから1年間です。