こんにちは。
はんだ付け職人の大堀です。

以前より多くの方々から基板や部品(特に電解コンデンサ)の修繕作業依頼を
頂いておりますが、実は、基板を修繕(パターン復活など)して
無事に復活動作しても、一度電解液などで腐食が始まってしまった基板や
パターンは腐食を止めることができないのです。

どれくらい良好な状態を維持できるかは使用環境にもよりますので
はっきりとはわかりません。ご依頼をお受けして、短い例では数か月で
再度不良になったことがありました。

その基板を再度拝見させて頂いたところ、別の部品やパターンが
腐食していました。伏兵現るです。

傾向としては、特に電解コンデンサの液漏れを生じて基板や基板の
回路パターン、同基板に実装されている部品(ダイオードやトランジスタ、抵抗など)
が腐食していると、先の伏兵が潜んでいる可能性が高く、通電したら活動を再開して
再び不良化してしまうようです。

原因は、電解液が周囲の回路や電子部品に流れた際に、基板のレジスト(基板に色を
付けている塗料、緑や黄色、赤色、青色などあり)に染み込み、銅パターンと
レジストの間に入り込むことで起こります。

既に、腐食して変色したパターン回路は、そのまま手を加えずに変色したままに
しておくと、次に電流を流した時に、再び電気分解をおこして腐食するため、
見えるところは、すべてカッターナイフで削り落としてはんだメッキを行うのですが、
見えない所に電解液が潜んでいる場合は、上記のように再び再発します。
(がん細胞をすべて切除する手術に似ています)

弊社としてはそのような事態にならないよう、伏兵らしきものは極力除外するように
努めていますが、部品交換した直後は正常に動作しているため、
完全に見つけることができません。

ご依頼者様からすれば、

つい最近修理をしたところなのにまたすぐに動かなくなった。
作業に問題があるのではないか?

と、思われることだと思います。
私も立場が逆であればそう思います。

しかし、現実は先に書かせて頂いたことが起こっているのだとご理解ください。


※2021年10月の記事をリニューアル