こんにちは、はんだ付け職人です。

今日は、とても基本的なことですが、
はんだ量について、改めてお話します。

というのも、先日の検定で
「こんなにはんだは少なくていいんですか?」
「少なすぎたら、問題はないんでしょうか?」
「少なければ少ないほどいいんでしょうか?」

というご質問をいただき、

この点を明確にしておかないと、
誤解や勘違いの基だな・・と感じたからです。

こちらに、はんだ量過多、適量、過少の見本をUPしました。
//k.d.cbz.jp/t/7a06/a0n87rw0bi5xewoxf9lwt
一番上の写真は、はんだ量が多すぎる見本です。

はんだは、溶接や接着剤とは接合する原理が異なり、
合金層を形成することで接合されている・・

という話は、耳にタコができた・・
とおっしゃる方もおられると思いますが、

接合部のはんだ量が多いからといって、
さほど強度が大きくなるものではありません。

それよりも、むしろ熱不足によって合金層が正しく
形成されていなかったり、

実は内部に不濡れが隠されていたり・・と
第3者には判断が出来ないので、

不具合の可能性があるもの=不良 として判断します。


真ん中の写真は、はんだ量が適正な見本です。
芯線の形状が外部から読み取れ、
きれいなフィレットが形成されています。


問題は、一番下のはんだ量過少の写真です。

一見すると、芯線の線筋が見えますし、
はんだ量が多すぎることはありません。

ところが、リード線の芯線と基板の間に入り込んでいる
はんだは、

//k.d.cbz.jp/t/7a06/a0n88rw0bi5xewoxf9YQVの図のように、少なくなっています。
このため、芯線と基板を接続する絶対強度が不足することと、
(はんだは軟らかいですので・・)

はんだの導電率が銅(Cu)の1/10程度しかないため、
接合部の接触面積があまり小さいと、抵抗値が大きくなり、

接合部で発熱して(ジュールの法則)発火したり、
はんだが溶けて断線したりする恐れがあります。

ですので、芯線を真上から見て、陰になる部分が
はんだで埋まる程度、あるいはそれよりもやや多めの
はんだ量になることが望ましいと言えます。

決して、少なければ良いというわけではありませんので
誤解なきようお願いいたします。


では、明るいはんだ付けを!