こんにちは。はんだ付け職人の大堀です。

今回は旧車部品の修繕です。
最近、ポルシェ関係のご依頼が続いていますが部品の修繕はあまり行っていませんでした。

部品と言ってユニットですので中身は基板ベースの部品集合体です。
87年製の部品でポルシェ911に乗られている方からのご依頼です。
(ヒーターブロアー用リレーユニット)

ヒーターからの熱風温度を設定した一定の温度に保つための部品です。
基本的に交換用新品部品は当然の如くありません。

あるのはスクラップの中古品もしくは、もうすぐ壊れる(既に壊れている)ものが見つかるだけでもラッキーな代物だそうです。

確かに、筋金入りのレストアをする方って、無い部品は一から作ったりしてますもんね。
それに比べるとまだまだかも知れませんが趣味で作業はできませんので請け負った限り全力で対応させて頂きます。

まずはケースを開けて調査開始です。
アナログ的な構成です。

電解コンデンサは2個入っていましたが、約35年前のものですので迷わず交換です。
次にリードスイッチ。こちらも機械的な部品ですので交換します。

そして心臓部品のリレー。少し期待していたのですが既に死亡していました。
(この部品が動かなければ全く動作しないユニットです)

構成されている部品や数少ない情報を元に耐圧、動作特性などスペックに合った現代物を探すのですが、この代替部品の調査が大変で、実際のところコテを握って作業している時間の何倍もかかります。

代替部品調査費用とは何か。(意外と知られていない真実) – ゴッドはんだ株式会社 法人個人はんだ付けサービス はんだ付け教材販売 はんだ付け講座 (godhanda.co.jp)

苦労の末、やっとのことで再生したリレーユニットがこちらです。
アクロバチックですが綺麗にまとまって安心しました。

後はご依頼者様のお手元に戻ってからが本当の勝負となります。
今は執行猶予期間と言ったところでしょうか。。。(汗)

今回の作業費用は材料費込みで24,500円(税抜)でした。
(別途返送料が必要になります)

既に数件同様の作業をさせて頂いておりますが、個々それぞれ症状が異なりますので、
一律に費用は同じとしてお出しすることができません。

現物を確認したのち、適正な価格でご提示させて頂いております。
(だいたいですが20,000~30,000円程になります)

心には常に「旧車に光を!」です。

★★★ その後 ★★★

オーナー様の元に戻り、修復したリレーユニットを装着した所、
無事に動作したとのメールを頂きました。

本当に良かったです。
自分の車が復活したくらいに嬉しかったです。

「旧車に光を!」
この先、どんどん修復して行きたいと思います!

旧車に光を!「予防保全」と言う考え方 – ゴッドはんだ株式会社 法人個人はんだ付けサービス はんだ付け教材販売 はんだ付け講座 (godhanda.co.jp)


【ご注意】
今回は復活して良い結果となりましたが、過去には修復作業を行っても復活できなかった事があります。
旧車関係のみならず、PC関係や他の電子回路も同じですが作業を行った場合にはお見積時の経費が掛かりますので、ご依頼頂く際には十分ご検討頂きご了承下さいますようお願い申し上げます。
(ご依頼頂く作業は全て成功報酬ではございません事をご承知おき下さい)

 ↓残念ながら復活できなかった例(USBメモリー)
スティック型USBメモリーの復活できなかった例 – ゴッドはんだ株式会社 法人個人はんだ付けサービス はんだ付け教材販売 はんだ付け講座 (godhanda.co.jp)

★★★ 同じ内容で別のご依頼者W様からのお言葉をご紹介いたします ★★★

2022年初夏の頃、「ヒーターを正常に動作させたい。」
とのことで、上記記事と同様の作業をご依頼頂きました。

そして先日、正常に動作しているとのご連絡を頂きましたので、そのメールをご紹介させて頂きます。(W様にはご了承頂いております)

以前、ポルシェ911ヒーターブロア用リレーの修理いただきましたWでございます。
修理が夏だったため、動作確認は執行猶予とのことでしたが、ヒーターが活躍する長野で正常に作動しております。
ブロアはしっかり回り、室温も一定温度に保とうと制御しているようです。
若干室温が低いようですが、許容範囲です。昨シーズンは寒さに耐えることもありましたが、今シーズンは快適に乗れそうです。
車は飾る物ではなく乗る物という私にとって、「旧車に光を!」という貴社は心強く感じました。
壊れたらアッセンブリー交換の昨今ですが、「旧車電装パーツの駆け込み寺」として多くの旧車を現存させてください。
本当にお世話になりました。

この様なお言葉を頂き弊社スタッフ一同大変嬉しく思います。
こちらこそありがとうございました。
「旧車に光を!」を益々推進して参ります‼