こんにちは。はんだ付け職人の大堀です。

最近の電子機器をめぐる電子部品の進化には驚きます。
特に電解コンデンサです。

古いPCの電解コンデンサは一般的な電解液タイプのものが使われているのですが、
ここ数年のPCには高価な固体電解コンデンサ(ポリマー高分子電解コンデンサなど)がよく使われています。

この固体電解コンデンサには電解液が使われていませんので液漏れと言う現象が無く、
また漏れた電解液によって基板のパターンを腐食させると言った二次被害も生じません。

↓固体電解コンデンサが実装されているマザーボードの一例。
一見、面実装タイプに見えますが違います。(ラジアルタイプ)


なかなかのスグレモノだと思うのですが、まだ高価な部品ですので使用しているPCメーカーは少ないです。
ですが、今後は部品も低価格化するでしょうし、採用するメーカーも増えるものと思われます。

古い(10年以上前の)PC等では電解液が漏れた電解コンデンサを交換するとPCが復活する確率が高いのですが、固体電解コンデンサを使用している最近のPC等ではコンデンサを交換しても不具合が解消する確率は低くなると考えます。

それは、およそですが電解液タイプの電解コンデンサの寿命は105℃1000時間保障品で、使用環境雰囲気45℃(PCの筐体内部温度を想定)とすると、24時間使用して寿命約7~15年くらいになります。(目安です)

それに比べて、個体電解コンデンサは約2倍以上の寿命がありますし、まだ数年しか経過していないPCがほとんどですから、必ずしも電解コンデンサによる不具合とは言い難いのではないかと思うのです。(使用環境で大きく変わるとは思いますが、、、)

ですので、固体電解コンデンサを使用しているマザーボードにおいては、電解コンデンサを交換しても改善しない確率の方が高いかもしれません。
部品以外で、「はんだ」に問題がある場合には、はんだ再生処理を行うことで改善される場合がありますが、そうでない場合には高価なコンデンサを全数交換しても不具合が改善されない場合が多いのではないでしょうか。

PCマザーボードの電解コンデンサ交換をご検討の際には、実装されているコンデンサをよく観察してみて下さい。
一般的な電解液タイプの電解コンデンサが使用されている場合であれば、交換によって復活する確率は高くなります。(現在90%程です)

↓これは一般的に使われている電解液タイプの電解コンデンサです。
胴体の周りに容量や耐圧が印刷されたフィルムが巻かれています。(ラジアルタイプ)