こんにちは、はんだ付け職人です。

今日は、鉛フリーはんだを使用する際に、
とても多い誤解についてお話します。

私が講習や電話やメールで普段お話した際に
お客様よりよく出てくるフレーズなのですが

「鉛フリーはんだは融点が高いので、コテ先温度を上げて・・」

と、さも当然のように、さらりとおっしゃいます。


何度も言ってきたので
「しつこいかな?・・」とも思ったのですが
おさらいの意味も込めて。

共晶(鉛入り)はんだの融点は約183℃
一方、鉛フリーはんだの融点は約217℃です。

単純に融点が34℃も高いですので
同じ条件では、確かにはんだは溶けにくくなります。

ですが、はんだ接合に必要な最も接合強度の強い
合金層が形成されるのは 約250℃ であって
共晶はんだと変わりません。

(参照)
接合温度と接合強度との関係
接合温度と強度の関係

 

 

 

 

 

 


また、鉛フリーはんだはコテ先温度が360℃を超えると
極端に扱いにくくなり、不良が発生する要因が
いろいろ増えてきます。

例:はんだが酸化しやすくなる
  フラックスが活性化している時間が短くなる
  コテ先が酸化する
  コテ先が食われにより磨耗する

私見ですが、共晶はんだに含まれる鉛は
酸化を防ぐような役割をしていた感があります。


したがって、鉛フリーはんだを使用する場合
コテ先温度の上限は360℃と考えた上で

ハンダゴテとコテ先を選定する必要があります。

今お使いのハンダゴテで鉛フリーはんだが
共晶はんだのようにサラリと溶かせない場合は

1:ハンダゴテに装着できるコテ先で一番大きなもの
  を試してみる。

2:それでもサラリと溶けない。あるいは、コテ先が大きすぎて
  母材に使用することが出来ない。

といった場合は、ハンダゴテの出力の大きなものに変更することや
プリヒーターなどで予熱することを
考える必要があります。

「弘法、筆を選ばず」
と言いますが、こと鉛フリーはんだに関しては当てはまりません。
道具選びはとてもシビアに行う必要があります。

頭の引き出しに入れておいていただけると幸いです。


では、明るいはんだ付けを!