d1155db0.jpgこんにちは、はんだ付け職人です。

今週は、ブログにUPしたロータスのケーターハム・スーパーセブン
(ルパン3世が乗っているようなカッコイイ車です)
 
のECU修理の記事に、ご質問いただいたお話を紹介させて
いただきます。


——————-以下記事の引用————————-
・・・コーティング剤を除去してみると、ハンダ付けをした後
リード線を切断しなくてはいけないところが、フィレットごと
カットされている箇所が多数あり、ハンダ不良を起こしていま
した。

フィレットの途中から切断されることでリード線が空気に触れ、
内部から酸化を起こしていたようです。

問題のある箇所のハンダを吸い取り再度ハンダ付けをしました。・・・
———–ここまで——————————-

対して、いただいたご質問です。

———————以下ご質問の引用——————
『フィレットの途中から切断されることでリード線が空気に触れ、
内部から酸化を起こしていたようです』の部分が気になった
のですが、電子部品のリードを機械やニッパーでカットした
断面がなるべく半田付けした方がよいのでしょうか?

客先によりたまに、2次半田を希望されることがあり、
カットした面から酸化するからと聞いたことはあるんですが、
今まで疑っていました。

御社では、どのような状況でしょうか?差し支えなければ
ご教示お願いします。
———————-ここまで————————–

さて、今回の記事は当社のはんだ付け職人 ピノさんが
書いてくれたのですが、ちょっと言葉足らずでしたね。

今回の不具合の発生メカニズムを順を追って説明すると・・

1:はんだ付けした
2:フィレットを、切れ味の悪いニッパで切断した。
3:フィレットのリード周辺にクラックが入った。
4:自動車の振動と経年劣化で、クラックが広がった。
5:クラックのせいで、導通抵抗が高くなった。
6:抵抗加熱で熱が発生した。
7:ハンダが再溶融を繰り返した。
8:完全に断線し、リード周辺が酸化した。

というふうに、不具合が進んだと想像できます。

実際に作業を行ったピノさんは、実際にリード周辺が酸化している
ためハンダが馴染まず苦労したので、こうした表現になったの
でしょう。

基本的に、リードカット工程は、こうした不具合を防ぐために
はんだ付け後には行わないほうが無難です。
(禁止している会社も多数あります)

2次ハンダを希望されたお客様も、完全に理解されされている
わけではないものの、このような事例を知っておられるのだと
思います。

カットした面から酸化するというわけではないと思いますが、
はんだ付け後にリードカットを行った場合は、

万一、フィレットにクラックが入っていた場合と、フィレットに
掛けた応力を開放するためにも、ハンダを再溶融して
2次はんだ付けするのが望ましいと言えます。

また、切断面から酸化するケースとしては、太い撚り線を
はんだ付けした際に、十分な熱を加えていないと、
撚り線の内部にまでハンダが浸透せず、

切断面から撚り線の内部が酸化して、撚り線同士の導通が
取れなくなって、外周部に電流が集中し、やはり
抵抗加熱により発熱する場合があります。

いずれにせよ、はんだ付けの前にリードカットを済ませておくか
盲目的に、2次ハンダ付けを施すのも対策のひとつですが、

こうしたメカニズムを知っていれば他にも、対処方法が
あると思います。

たとえば・・
細いリードは、よく切れるニッパで、1本づつカットするなら
2次ハンダ付けしないでもOK・・

などということは、製品の使用用途などによってはありだと
思います。

いたずらに工数を増やすだけでは、しんどいですしね。


では、明るいハンダ付けを!