こんにちは、はんだ付け職人です。

今週は、11月に多かった基板の回路の腐食についてのお話です。

主に、電解コンデンサからの電解液の液漏れが原因なのですが
珍しいものでは、電子ホーン(クラリネット型電子楽器)の内部に
唾液が進入して、基板が腐食しているものがありました。

たいていの基板には、「レジスト」と呼ばれる緑色の樹脂で
基板の銅箔パターンが覆われており、大気中の湿気などから
銅箔の腐食を保護しています。

ところが、電解液や、唾液の酸などはレジストに染み込むため
通電すると、銅箔が電解液に浸っている状態となり、
電気分解を起こして、銅パターンを腐食していきます。

レジストは水膨れのような状態となり、その内部では
銅箔が真っ黒な状態となっています。
(緑青を噴くこともあります)

こちらに、腐食の例を・・
(ちょっと気色悪いです・・)

したがって、電解コンデンサが、膨張、液漏れを起こしている場合には
その周辺に、変色している箇所がないかを、よくチェックしておく
必要があります。

電解液の液漏れを見逃すと、コンデンサを交換しても、
通電すると再び、腐食が進みます。

変色箇所を発見した場合は、カッターナイフなどで、レジストを削り
パターンが無事かどうかを確かめる必要があります。

キレイな10円玉のような銅が現れれば、まだ回路は生きていますので
大丈夫ですが、ボロボロに崩れてしまうようなら、断線していますので
回路を修復する必要があります。

特に、回路の細い箇所や、スルーホールの周囲は要注意です。
(腐食しやすい)

スルーホールが腐食してパターンが消失してしまった場合は、
基板の表裏をリード線で繋ぐなどの回路修復が必要になります。

修復が終わったあとは、ホットメルトやエポキシ樹脂などで
パターンの表面をコーティングしておけば万全です。

ご自分で、基板を修理される方の参考になれば幸いです。

では、明るいハンダ付けを!