こんにちは、はんだ付け職人です。
今週は、先週に引き続き「母材の固定」についてのお話です。
具体的な、母材の固定方法を紹介していきましょう。
まずは、クリンチです。
アキシャル、ラジアルなどと呼ばれることも多いですが
要は、基板の穴に部品のリードを差し込んでハンダ付けするタイプ
の部品に使用します。
部品のリードを基板のパターンの穴に挿入して部品が落ちないように
リードを曲げます。
参照の記事はこちらから
ここで、ちょくちょくリードのカットは、ハンダ付けの後が良いか?
先が良いか?という質問をいただきます。
ここで私は「できる限りハンダ付けの前にリードをカットしてください。」
とお答えしています。
と言うのも、ハンダ付けの後に、ニッパでリードを切断すると
ハンダのフィレットにクラックが入ることがあるからです。
これは実際に、当社であったクレームです。
ニッパが磨耗して切れにくくなってきたり、2本のリードを
一度に切断したりすると、結構な衝撃がリードに伝わります。
クラックの場合、電気検査では捉えられない場合が多いです。
(時間の経過と共に発症します)
やむなく、ハンダ付け後にリードカットされる場合は、
よく注意してください。
次に、マスキングテープで固定する方法です。
これは、主に大き目のチップ部品などを固定する方法の一つです。
マスキングテープを細ーく切って、基板の上にチップ部品を
貼り付けます。ピンセットで上手に固定できない初心者の方などには
お勧めです。
次に、上記でも言ってしまいましたが、ピンセットで固定する方法です。
慣れれば一番手っ取り早いですね。こちらもチップ部品を固定する
方法です。
ただし、「部品が浮かないように・・」と強い力を加えますと
電子部品は熱した状態では簡単に割れたり、クラックが入ったり
しますので、そっとつまんで、押さえる必要があります。
さらに、ピンセットをよく吟味しないと、チップをつまむだけで
過大な力が必要だったり、ピチッと部品が飛んでいってしまいます。
今のところ、はんだ付け職人お勧めのピンセットは
HOZANさんの P-894です。
価格もお手ごろで、部品を弾くこともなく、わずかな力で
部品を摘むことができます。
ピンセットでお悩みなら一度試してみてはいかがでしょう。
またまた、長くなってしまいました。
続きは来週お話いたしましょう。
では、明るいハンダ付けを!