fc9ebb00.jpg☆ ご質問

内容=千住金属工業殿のスパークルハンダ#295(0.6φ)高温ハンダでのハンダ付けについてお伺いします。

基板はCEM-3で金フラッシュ処理(RoHs対応)をしています。
金メッキした真鍮の1φの丸いピンを
上記高温ハンダで基板にハンダ付けしています。
ハンダ付けされたラウンド周囲にかなりの確率でクラックが見えます。(引き巣かも知れません)

材料的な問題なのか作業的な問題なのかはっきりしません。
ピンを取り除いて同じラウンドに
高温ハンダでハンダ付けをしてみると問題なくハンダはのります。
金メッキの問題ではなさそうです。

作業方法は基板を90℃でプリヒートを行い
コテ先温度400℃で2~3秒でハンダ付けを行っています。

ピン側のハンダ付けには
クラックもなく全く問題はありません。

写真を添付します。

銅箔は35umと厚い物なので銅箔はがれはありません。

アドバイスをいただけると幸いです。
よろしくお願いします。

☆ 回答

野瀬@ハンダ付け職人です

うーん 難しいご質問です
スパークルハンダ#295というのが WEBで調べてみたのですが
成分などの情報がありません。

ですので まったく的を外している可能性もあるのですが
いわゆる【リフトオフ】と呼ばれる現象の中の【フィレット剥離】では
ないかと思います。

Pbフリーの高温ハンダには Bi(ビスマス)が含まれているものが
あるのですが このBiを含む半田では メッキの種類に関係なく
このような クラック(フィレット剥離)が多発します。

①両面基板のスルーホール
②リードが太い
③フィレットが高い

などの条件が揃うと より発生しやすくなります

原因はハンダが冷えて固まっていく際に BiまたはPb(鉛)が偏析し
パターンの周囲に融点の低い部分ができることで 固体化する最後の
段階で熱収縮により応力が発生して クラックが発生するものです。


リフトオフについては書籍を紹介しておきます