こんにちは、はんだ付け職人です。
今日は、
「温度調整されたハンダゴテのコテ先を交換して、
形状が変わるとコテ先温度は変わるのか?」
という長いタイトルです。
会社で毎日コテ先温度を計測されている方も
いらっしゃるでしょうが、
一般の方でコテ先温度を計測する測定器を、
持っておられる方は少ないと思います。
例えば、当社で販売している「はんだ付け入門用ハンダコテセット」
には、温度設定ボタンが付いていますが、
360℃のボタンを付けたときに、
コテ先を交換すると、コテ先の形状によって
コテ先温度に違いはあるのでしょうか?
私の経験的には、コテ先を変えると
コテ先温度が変わるという認識がありますが、
「ひょっとして法則性があるのでは?」
と思ったわけです。
この、一風変わったひねくれた質問に
HAKKOさんがご親切に答えてくれました。
そのようなデータはなかったのですが
わざわざ、測定してくださいました。
あくまで、非公式なデータですので、参考資料だとご理解ください。
はんだ付け入門用ハンダコテ HAKKO 933-2を
360℃に設定した時の測定データです。
手順は、下記の通りです。
1:933-2にB型(エンピツ型)こて先を装着し、360℃設定に調整。
2:調整した状態で こて先を K型⇒1.6D⇒2.4D⇒2C⇒3C⇒4Cと
交換して、それぞれコテ先温度を測定。
3:2回ローテーションして測定し、ほとんど誤差のないことを確認。
結果は、B型を基準にすると、
K型 +5.0℃
1.6D +1.0℃
2.4D +0.5℃
2C -7.2℃
3C +2.0℃
4C +6.5℃ 測定器:FG100-01(校正済み)
となりました。
ざっとみて、大きなコテ先のほうが、
コテ先温度が高い傾向にあることがわかります。
細いコテ先は、やはり熱が伝わりにくいのでしょう、
温度が低めになるようです。
今まで、「コテ先の大きさ=熱容量の大きさ」と
考えてきましたが、コテ先温度でも、
コテ先が大きい方が熱的に有利であるらしい・・
と言えそうです。
コテ先のどの部分で温度を計測するか?
メッキ厚の誤差
によっても、温度は多少左右されると思いますが、
この傾向は、メーカーや機種を問わずあるはずです。
参考になりましたら幸いです。
では、明るいはんだ付けを!