『HDD基板が焼けてしまったために起動しなくなったので、
同モデルの近接ロットのHDD基板と交換し、スピンアップはしたのですが
読み込みまで到達しなかったので最終手段として
ファームウエアの入っていると思われるROMチップを交換して欲しい…』
というご依頼です。これまでに同様の依頼が50件以上ありました。
ただし、HDDは全く同じモデルの近接ロットでも、ROMチップのバージョンが
頻繁に変わっていたりするようで基板の中身まで完全に一致するものを
偶然に見つけられる確率がかなり低いようです。
なので同じモデルのものでも合致しないことが多く
読み込みに至らないことがあります。
※主にデーターリカバリ会社さんからのご依頼が多いです。
今回も成功率の低さはお話したのですが、どうしても!とのことでしたので
お受けさせていただきました。
写真にある2つのROMをNG基板から取り外し、OK基板のものと交換します。
低温ハンダを使って取り外しました。
(この時周辺にしっかりとマスキングをしておくと作業が楽で、
ハンダくずの飛散によるショートなどが予防出来ます)
後日『 すべてのデータを認識、読み出す事ができました。
起動した時には、思わずガッツポーズが出てしまいました』
という喜びの声を頂きました。よかったです!!
※こうしたBIOSチップ(SOP)の裏面にはGNDを設けているケースがあり、
こうしたBIOSチップを安全に取り外して移植するにはご依頼いただいたほうが
良いです。
※2022年7月現在、54回の移植を試みて46回はデーターの読み出しに成功しております。