皆様こんにちは。
はんだ付け職人の大堀です。
この度は稀にみるECUの復活作業の大成功例をご紹介いたします。
さすがに今回は基板の状態を見た瞬間、「ダメかもな~」と弱気になるくらい、部品と基板が焼損していました。
(ECUのケースを開けた瞬間にあの焼けた時の独特な臭いが漂ってきました)

ポッカリと基板に穴が開いているのがわかるでしょうか?
部品が燃えた際にベースの基板まで焼け朽ちてしまって穴が開いてしまっています。
(かなりヤバい状況!)
見える部分の修繕作業は可能ですが、基板に穴が開いてしまってはその部分のパターンが全くわかりません。。。
このような厳しい状況の中、いつもECUの修復作業でお取引のある業者様の所に全く同じ型式のECUを在庫されておられることがわかりました!「渡りに船」とはこのことです。早速そのECUをお譲り頂き、基板を確認すると、なんと「全く同じ部分が消失」しているではありませんか!!
よく似た感じで、ご丁寧に基板にも穴が開いておりました。
(もしかすると設計ミスの可能性も考えられます)

絶望感が漂うECUを前に再度気を取り直して顕微鏡観察を始めました。
すると、同じように見える状態でしたが二つをじっくり見比べると絶妙にパターンの痕跡が違っていて、なんとかニコイチで元のパターンを想定する事ができました。1個のみでは不可能な事ですが複数あるとなんとかなるものです。(運も大きな要因ですが)
作業を完了してご依頼者様のもとへ。
これからが本当の勝負です。
その後、「動作することができました!」とのご連絡を頂き、スタッフ一同大変嬉しく思いました。
人間、簡単にあきらめてはいけませんね。
今回は非常にラッキーな事が重なって成功した事例ですが、既に30年以上経過した20世紀の車両を復活するにはこの様なちょっとした幸運が必要なのかも知れません。
我々はこの様な幸運の架け橋になれればと思い、日々「旧車に光を!」を展開しています。
旧車オーナーの皆様、一途の望みをあきらめないでください。必ずしも復活できるとは限りませんがチャンスは皆無ではございません。ご相談頂ければ可能な限り最大限の努力をさせて頂く所存です。
(万策尽きる時もございます。その際は本当にごめんなさい)