こんにちは、山市@はんだ付け職人です。
入社して、もう2年 一瞬のように感じます。
はんだ付け職人の道から2年 今は、「はんだ付け職人」(はんだ付け王子)です。
今回の内容は 電気製品によく使用されている
電解コンデンサの交換作業についてです。
一般的に、電解コンデンサは部品の中でも寿命が短く、
10年程で、部品が不良になります。
※使用環境や、使用状況によって寿命が長くなったり、短くなったりします。
今回は、電解コンデンサの液漏れと、基板への影響についてです。
写真①
写真①は、電解コンデンサの電解液が漏れて、基板に流れた写真です。
私達にとっては、
「あーこのコンデンサ液漏れしてるわぁー」
と言うぐらい、身近な不良です。
電解コンデンサの中から、電解液が漏れ出し、
基板を腐食させています。
実際に、電解液を垂らしてみて、電気が流れている基板に
どのような影響を及ぼすかを試した動画がこちらです。
写真の様な状態になるまでには、長い時間をかけて銅が電気分解により、腐食していくことが解ります。
不調ながら動くという部分は、電解液が漏れても、すぐにパターンの断線などに至らないからです。
はんだ付け職人のテクニック その①
では、実際に液漏れ箇所をどのようにして修復していくか、
「はんだ付け職人の回路修復テクニック」に迫ります。
①基板の腐食箇所を全て除去します。
少しでも腐食部分が残っていると、その部分からパターンを腐食させてしまいます。
時には、コンデンサだけでなく、周辺の抵抗やICなどにも付着している時があり、
周辺部品を外したりもします。
実際に腐食箇所を削って除去した写真が 写真②です。
写真②
腐食部分を完全に除去を行い、銅箔のパターンが見える状態まで削りました。
赤〇の部分が、断線しているのが解ります。
スルーホールも断線箇所にあるので、基板の表面と裏面も接続する必要があります。
※テスターで腐食箇所の導通チェックを行っております。
②パターンの修復とはんだコーティングを行います。
断線箇所を含め、レジストを削った部分も、はんだでコーティングを行います。
コーティングを行った写真が 写真③ です。
写真③
赤〇の部分がパターンを修復した箇所になります。
写真②で確認した、スルーホールの断線も修復するため、
リード線が2本はんだ付けされています。
使用したリード線の太さは 0.5mmと、0.2mm
長さは、約8mm です。
はんだ付けを行いながら、形をパターンに合わせる必要があり、
右手にハンダコテ、左手にはピンセットを持って、作業を行います。
※私は左利きですが、ハンダコテは右で持ちます。(笑) ほぼ両利きです。
③レジストの補修材を塗布して、完了です。
部品交換は、簡単に出来る方はたくさんいらっしゃいますが、
回路修復は格段に難しくなります。
今回は、電解液の腐食による、パターンの修復についてですが、
弊社では、
・USB端子が取れた際に、パターンも断線させてしまった
・LED交換を自分でやったけど、パターンが剥がれてしまった
等の修復も行っております。
LEDの例
部品点数:1点~、
基板枚数:1枚~ の対応が可能です。
基板のコンデンサ交換、IC関係などの交換作業も行うことが出来ますので、
お困りの際は、お気軽にご相談下さい。
尚、家電製品の修理については対応させて頂いておりません。
申し訳ございません。
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2019年9月27日記事リニューアル