こんにちは、はんだ付け職人です。

今日は、「タイトリペースト」というフラックスについての
お話です。

WEBで「タイトリペースト」を検索しても
商品は出てくるものの、

どうやらステンドグラスに使用するフラックスらしい・・
ということしかわかりません。

現在では液体フラックスが主流になっていますが、
この「タイトリペースト」、見た目は松ヤニ色の樹脂ペースト状で
昔使っていたフラックスを思い出させます。

実は、企業さんでの講習でのお話の中で、
コネクタにケーブルをはんだ付けしている会社では、
非常によく使われているフラックスである・・との
情報を得ました。

タイトリペーストを使ってはんだ付けされたコネクタ・ケーブルを
拝見しましたが、非常に美しくはんだ付けされており、
理想的なフィレットが形成されています。

「これは、隠れた名道具なのではないか?」と
調べ始めたのですが、
前述の通り、WEBで検索してもほとんど情報が得られません。

そこで、専門家の力をお借りしようと、はんだメーカーの
千住金属工業株式会社さんにお伺いしてみました。
(わざわざ調べてくださいました。ありがとうございます。)

結論から言うと、タイトリペーストには、塩化亜鉛が入っており、
プリント基板や電子機器には使用することはお薦めできません。

塩化亜鉛は、ステンレスなどの難はんだ付け素材の表面の酸化膜を
除去するための強力な酸です。

例えば、HAKKOさんの商品では HAKKO PASTE(FS-120)や
SUSSOL。大洋電機産業(goot)さんでは、ペースト(BS-10/15)
が相当する金属用フラックスで、

いずれも但し書きで「電気・電子関係のはんだ付けには使用しないこと」と書かれています。

コネクタのように洗浄することが難しい製品では、
フラックスが残留してしまうため、腐食の原因となります。

※弊社でもステンレスのはんだ付けにSUSSOLを使用していますが、
 アルミの排気ダクトは腐食して穴が開きました。

知らずに使用されている会社さんも多いと思いますので、
WEBで調べられるように紹介させていただきました。

電子部品に使用できる樹脂系のフラックスには
大洋電機産業(goot)さんのBS-850という商品が
市販されています。

では、明るいはんだ付けを!