こんにちは、はんだ付け職人です。

遅くなりましたが、11/24幕張の高度ポリテクセンターでの
「はんだ付け検定・セミナー」の報告です。

2日間、はんだ漬けぎっしりのきついスケジュールにも関わらず、
11名の方が、受講、受験いただきました。

受講いただいた方の中には、ほとんどはんだ付けを
経験したことのない方もいらっしゃいまして、
残念ながら全員合格とはなりませんでしたが、

「はんだ付けがこんなに楽しいものだとは思いませんでした」
「これで、はんだ付けに自信を持って望めそうです」

といったご感想もいただける充実したものになりました。

また、アンケートでは、「実技実習の時間が短い」という
ご意見が多数でしたので、

今後は「検定」と「セミナー」を切り離して
「セミナー」をもっと充実させようと考えています。


さて、話は変わりますが、先日メールでウィスカに関する
質問をいただきましたので紹介させていただきます。

(1)鉛フリー部品はウィスカを発生させるリスクがあると
   聞いております。
   対策には、どのようなものがありますでしょうか。

(2)鉛フリー部品に有鉛半田を使っても、
   ウィスカのリスクは残るのでしょうか。

(3)RoHS品や鉛フリーの部品しか入手できない場合、
   それを有鉛部品とみなせる(ウィスカのリスクを無くす)
   ようにする方法はないのでしょうか。

・・といった内容でした。

ウィスカはSnのメッキに応力が発生したときに
針状(ひげ状の金属結晶)に成長するSn結晶ですが、

狭い端子間では、このウィスカが発生すると
短絡(ショート)してしまうケースがあります。

近年、ROHS指令に対応するために、多くの電子部品が
鉛フリー化を進める中で、

共晶はんだメッキ(SnーPb)からスズメッキ(Sn)へと
変更されたため、ウィスカの問題が多くなってきています。


私もウィスカについては、あまり詳しくないので
「エレクトロニクス実装技術」という雑誌に
ウィスカに関する記事がありましたので、参考にさせていただきました。

結論から言いますと、Snメッキされた部品でも
鉛入りの共晶はんだを使用してはんだ付けすれば
ウィスカを抑制することができます。

今回、ご質問をいただいた方は、有鉛のはんだを使用しても
問題ない分野のお仕事をされているようでしたので、
普通に鉛入りの共晶はんだを使用していただくように
お勧めしました。

既に鉛フリー化に完全に移行されている方々には、
なんの解決にもなっていない回答ですが、

ひとつ、どうしても解決できない場合の逃げの一手として、
知っておいていただくと良いと思います。

ウィスカの問題はとても難解なため、現在のところ
まだ決定的な対策が打てないようです。(都度対応になっている)

例:金メッキや、Snメッキ厚のコントロール、特殊なメッキなど

参考になりましたら幸いです。


では、明るいはんだ付けを!


ps:昨日、大阪から来社されたお客様が
   
「最近、大阪では「手はんだ」に対応してくれるところが
なくなってしまった・・」

と嘆いておられました。(大阪でも・・)

今やメーカーは、なんでもかんでも自動化を進めているため
手はんだの職人は、どんどん減少しているようですね。

全国のはんだ付け職人の皆さん、まもなくあなたの技術が
注目される日が来るでしょう。