こんにちは、はんだ付け職人です。

今日は、プリント基板にネジで固定する部品についてのお話です。

例えば、基板に直接はんだ付けされる大型のコネクタなどは、

コネクタを抜き差しする際に、
はんだ付け部に大きな応力が掛かるため(テコの原理が働く)

コテクタを基板に機械的に固定するために
ネジ留めされるケースがあります。

また、大きなパワートランジスタなどの発熱する部品については
放熱のためのヒートシンクがネジ留めされたり、
参照
//k.d.cbz.jp/t/7a06/a0kbngw0bimuah74zxyHM
基板の大きな放熱用のGNDパターンにネジ留めされることは、
皆さんよくご存知だと思います。

こうしたネジ留め部品は、フローはんだ槽などではんだ付け
されると、ネジを締め付けしていた部分が緩みます。

これは、はんだ付け時の熱によって、材質が熱膨張して
締め付け力が低下するのが原因なのですが、

その締め付けトルクは、はんだ付け前に比べると
1/10にも低下するそうです。

この緩んだネジに気が付いて、
「おっ!緩んでいるな・・増し締めしといてあげよう・・」

という親切な方がいらっしゃいますとたいへんです。

この緩んだネジを、知らずに増し締めしますと、
はんだ付け部に大きな応力が掛かることになります。

以前、高温環境では、はんだ付け部は
何も応力を掛けなくても、時間と共に壊れてしまうという
お話をしましたが、

応力が掛かった状態では、はんだ付け部は
やはり、時間と共に破壊され、はんだ付け部にクラックなどが
生じることになります。

ですので、はんだ付け後に「ネジが緩んだから・・」
といって、増し締めすることは厳禁です。

同様に、こうしたネジをはんだ付け後に取り付けることは
タブーです。

どうしても、増し締めしたい場合や、後でネジを取り付ける場合は、
はんだ付け部の応力を逃がすために、
再はんだ付けする方法もあります。

はんだ付けの業界では、常識だと思いますが、
電子工作などで、大型トランジスタなどを
使用される場合は、参考にしてください。


では、明るいはんだ付けを!