こんにちは、はんだ付け職人です。
今日は、プリント基板にネジで固定する部品についてのお話です。
例えば、基板に直接はんだ付けされる大型のコネクタなどは、
コネクタを抜き差しする際に、
はんだ付け部に大きな応力が掛かるため(テコの原理が働く)
コテクタを基板に機械的に固定するために
ネジ留めされるケースがあります。
また、大きなパワートランジスタなどの発熱する部品については
放熱のためのヒートシンクがネジ留めされたり、
参照
https://godhanda.co.jp/blog/52195013-2/
基板の大きな放熱用のGNDパターンにネジ留めされることは、
皆さんよくご存知だと思います。
こうしたネジ留め部品は、フローはんだ槽などではんだ付け
されると、ネジを締め付けしていた部分が緩みます。
これは、はんだ付け時の熱によって、材質が熱膨張して
締め付け力が低下するのが原因なのですが、
その締め付けトルクは、はんだ付け前に比べると
1/10にも低下するそうです。
この緩んだネジに気が付いて、
「おっ!緩んでいるな・・増し締めしといてあげよう・・」
という親切な方がいらっしゃいますとたいへんです。
この緩んだネジを、知らずに増し締めしますと、
はんだ付け部に大きな応力が掛かることになります。
以前、高温環境では、はんだ付け部は
何も応力を掛けなくても、時間と共に壊れてしまうという
お話をしましたが、
応力が掛かった状態では、はんだ付け部は
やはり、時間と共に破壊され、はんだ付け部にクラックなどが
生じることになります。
ですので、はんだ付け後に「ネジが緩んだから・・」
といって、増し締めすることは厳禁です。
同様に、こうしたネジをはんだ付け後に取り付けることは
タブーです。
どうしても、増し締めしたい場合や、後でネジを取り付ける場合は、
はんだ付け部の応力を逃がすために、
再はんだ付けする方法もあります。
はんだ付けの業界では、常識だと思いますが、
電子工作などで、大型トランジスタなどを
使用される場合は、参考にしてください。
では、明るいはんだ付けを!