こんにちは、はんだ付け職人です。

今日は、当社で実際に行っている「はんだ付け教育」について
お話いたしましょう。

というのも・・先日、日本はんだ付け協会の会員のK様より
下記のようなご質問をいただきました。

————–以下抜粋して添付————————-
>いつもお世話になっております。
>
> ホームページやブログ、DVD等も購入して勉強させてもらっています。

> 弊社では、品質基準を決めてる作業標準書がありまして、
>それを元に検査をしています。

> そして、新人さんに検査を教える時は、良品と不適合品の写真などを
>見せてるのですが、なかなか検査のスキルを教えたりするのは難しいです。

> 御社ではどのような教育、訓練を実施されているのか、
>差し支えなければ御教示お願い出来ないでしょうか?
———————ここまで—————————-

すぐにメールで回答させていただきましたが
K様への補足と、皆さんに共通の悩みでもあるかと思いますので
ここで、紹介させていただきます。


これは、売らんかなで言うのではないのですが
当社では、最初に、「DVDはんだ付け講座」を見てもらいます。
※元々、そのために作成したものです

中には、「うちは、まだそんなレベルじゃない。」
「もう少し実際にはんだ付けを経験してから導入するよ。」
とおっしゃる方もおられます。

しかし、これは「ゴルフが上手くなりたい」と言いながら
「もっと上手くなってからゴルフの練習をするよ」と
言っているのと同じです。

この方は、いつまでたってもゴルフが上達しないでしょう。
(このフレーズは、「社長の時間の使い方」著:吉澤大
            日本実業出版社 より拝借)

DVDを視聴してもらう前には
「見終わったら、試験をしますよ。」と言っておきます。
※真剣に見てもらうためです。おそらくノートを取る余裕はないはずです。
 レジュメを活用ください。

そして実際に、試験を受けてもらうと、
その人の理解度がかなり正確にわかります。


DVDを視聴しただけで80点以上取れる人なら、かなり有望な方です。
勘もよく、早ければ3日くらいで戦力になってくれます。

※あまり理解出来ていない方は、レジュメで勉強し
 再度DVDを視聴してもらってから再試験する方法もあります。


さて、その上で実際にはんだ付け作業を体験してもらいます。
ラグ板などのリード線のはんだ付けや
Dsubコネクタへのケーブルのはんだ付け、

アキシャル・ラジアル部品のはんだ付け、
表面実装のはんだ付けを2日くらい掛けて実際にやってもらいます。
※長い人では4日くらい

ここで重要なのは、ちょくちょく、抜き打ちで出来栄えを見て、
「これは熱不足」
「これははんだ量多すぎ」
「これは馴染んでいない」
「加熱し過ぎ」

などと、自分でやってもらったはんだ付けに対して指摘を行い、
「なぜ、この不具合は発生したのか?」を
実体験で理解してもらうことにあります。

特に熱不足によるハンダの馴染み具合については、
よく理解してもらいます。

その後、検査工程に入ってもらうのであれば
その方が検査したものを3日ほどは、wチェックをおこない、
その会社の製品に特有な不具合の出方を掴んでもらいます。

あとは、検査をしながら数をこなしてもらうことで
瞬時に○×判断ができるようになります。
※個人差はありますが・・

まもなく、公開する「はんだ付け検定」もこの流れで
「はんだ付け教育」を行います。

検定と言うよりは、「はんだ付け教育システム」と言ったほうが
良いのかもしれません。



昨年12月に、ポリテクカレッジからT君、M君が
インターンで5日間、体験学習に来ました。

彼らは、ポリテクカレッジの先生よりも遥かに高い
はんだ付けの知識と技能を見につけて帰っていきました。
彼らの人生で役に立つといいなあ・・

では、明るいはんだ付けを!