こんにちは、はんだ付け職人です。

今週は先日、京都府中小企業技術センターで開催された
実装技術スキルアップセミナーの講演の中での

実装技術アドバイザー/河合一男先生の講演からの
気付きを紹介させていただきます。

まずは、何でもかんでもハンダ付けの条件を
コテ先温度で決め付けるのは良くないというお話。

「LEDのはんだ付けは、コテ先温度300℃以下で!」

これはナンセンスですよ・・とおっしゃってます。


先日、このメルマガでも映像を紹介いたしましたが
同じ基板の中でも、サーマルパッドで熱が逃げるポイントでは
母材の温度が上がるスピードは全然違います。

コテ先の温度と、コテを当てる時間、熱を伝える接触面積で
はんだ付けポイントに与える総熱量は決まります。

この総熱量を常に頭においてはんだ付け条件を決めないと
いけないわけです。

「LEDのはんだ付けは、コテ先温度300℃以下で!」
という条件にこだわってしまうと、

コテを当てる時間が異様に長くなって
脆い合金層が成長したり、熱不足状態で
正常な合金層が形成されない場合が出てきます。

LED照明などでは、放熱のためにアルミ基板などが
使われることも多くなっていますから
こうしたケースは多くなっているようです。

「今の技術者たちは、最初に条件ありきで
 出来栄え、仕上がり状態を見ない。」
と嘆いておられます。

だから、新入社員には最初に検査工程に就いてもらって
「良いはんだ付け」がどういうものか十分理解してもらったうえで
製造に携わっていくのが技術習得の早道である・・と
説いておられます。


河合先生の講演は、実例写真や映像を「これでもか!」と
次々に見せていただく上に、すさまじいスピードで進みますので
なかなか、すべてをご紹介することができないのが残念です。

実装現場における鉛フリーの対策と改善で
国内外大手工場を含む数百社の指導を行っておられます。

「実装不良が多発して困っている・・」
場合には、ご相談されると良いと思います。
(世界中を飛び回っておられますが・・)

リフローやフロー実装で無検査ラインが構築できるほど
改善が出来た例もありますのでご参考まで。


さて、先日の蓄熱タイプのコテ先の話について
メールをいただきましたので紹介させていただきます。

————以下添付 i.m様より———————————————–
野瀬様

いつも楽しく勉強させて頂いております。

私は約2年半こてペンを使用しています。写真下側の極太のほうです。

仕事でデジタルカメラを修理していますが
大きなIEEEコネクター(400)の交換で
通常の半田こてではグランド側は溶けませんでしたが、
こてペンでは簡単に作業できました。

これは、本当にお勧めです。

私は、最初にセラコートの北見様より
丁寧に使用状況等相談させて頂きこてペンの極太タイプになりました。

はんだ付けに光を!で取り上げられたのでメールしました。
これからも、よろしくお願い致します。

———–ここまで———————————————-

高価なハンダゴテの導入の前にコテ先の選択を
よく吟味することの重要性がわかっていただけるかと思います。


では、明るいはんだ付けを!