こんにちは、はんだ付け職人です。

今日は、鉛フリーはんだの仕上がり状態についてのお話です。
(表面が白っぽくなる)

鉛フリーはんだの特徴として
仕上がり状態が、鉛入り共晶はんだに比較して
白っぽくなるのはご存知だと思います。

この原因は、はんだが冷却して固まる際に
スズ(Sn)が結晶化してはんだ表面に微細なシワが
出来るためです。

ところが、同じ基板上であっても
よくよく観察すると

「あれ?・・ここはピカッと光ってる」
という箇所がいくつかあると思います。

はんだ付けのことを良く知らない方がこれを見て

「ここは、ピカッと光ってるじゃないか」
「他のポイントもピカッと光るように仕上げなさい!」

「鉛フリーはんだでも、ちゃんとはんだ付けすれば光るんじゃないか」
「白っぽいポイントはイモはんだじゃあないのか?」

という誤解をされるかもしれません。


実は、このスズ(Sn)の結晶化は
ゆっくり自然冷却した場合に発生します。

冷却のスピードによって
白化したりしなかったりするものです。

下記のリンクに比較写真を掲載しました。
//k.d.cbz.jp/t/7a06/90e33ox0ogcxvws34b


一番上の写真は
自然冷却したもので
左はスルーホールのみのパターンで
ゆっくり固まったため、完全に白化しています。

右は周囲がGNDに囲まれているため
放熱が効率よく行われたのでしょう。
ほとんど白くなっていませんね。


真ん中の写真は、右側だけが白くなっています。
これは、左側に基板の回路を形成するパターンが
伸びているためで、ここから放熱したために
早く冷却したと考えられます。


一番下の写真は、完全にピカッと光っています。
鉛フリーはんだだとは、言われなければわからないでしょう。

これは、はんだ付け直後に送風して急冷したもので
(よく見ると、風でフラックスが吹き飛んだ痕跡があります)
スズ(Sn)が結晶化する暇を与えなかったものです。


写真のはんだはすべて、Sn-Cu-Niー(Ge)です。
どうしてもピカッと光らせたい場合は
参考にしてください。

では、明るいはんだ付けを!