こんにちは、はんだ付け職人です。

先週、鉛フリーはんだを使用した
極細線のはんだ付けで問題となる食われについてのお話を
させてもらったんですが、

その後、ご質問と、とても貴重なアドバイスをいただきましたので
紹介させていただきます。

まず、
1:エナメル線の被覆を除去する薬品について具体的な薬品名は?
2:COILの他の皮膜に付着してショート不良や腐食不良になるのでは?

というご質問をいただきました。


エナメル線の正式名称は【マグネットワイヤー】と呼ぶそうです。
そこで、【マグネットワイヤー 剥離剤】で検索すると

ソルコート (電線塗膜剥離剤)
//k.d.cbz.jp/t/7a06/90zgnex0ogf6qlql3q

という商品が見つかります。

さらに、アルカリ性ソルコート、 酸性ソルコートの2種類が
あるようなのですが、 細線の場合はアルカリ性ソルコートのほうが
適しているそうです。

他には、強力塗膜剥離剤 フクゾールC
//k.d.cbz.jp/t/7a06/90zgoex0ogf6qlql3q

などが出てくると思います。

いずれも、
「剥離剤がコイルの他の部分に付着しないよう十分に注意して下さい。」
という注意書きがありますので
ご懸念のように、溶剤がコイルに付着すると
ショート不良や腐食不良の恐れがあります。

この点は、コイル部をシールドするなどの注意が必要です。


もう1点、 N.Kitagawa様よりいただいた貴重なアドバイスを
紹介させていただきます。

1:銅食われについて
 銅はソルダリングの際に、ソルダの錫へ溶解するため
 ソルダの組成にその度合いが委ねられます。
 ソルダに銅成分が沢山含まれていると溶解の度合いは
 少なく、銅成分が少ない場合は銅が溶け込み易くなり
 ます。
 この溶け込み度合いは、ソルダの溶融温度にも影響を
 受け、溶融温度が高いほど溶け込み易くなります。

2:対策
 ・ソルダを例えば、Sn-4.0Cu(-Ni-Ge)など銅成分が多い
  ものを使用することで抑えることができます。
 ・ソルダの溶融温度を可能な限り低くする。
 ・ソルダへの浸漬時間を許容できる範囲で短くする。

(N.Kitagawa様ありがとうございました。ブログに埋もれさすには
 もったいないので紹介させていただきました)


銅食われ防止ハンダについては、はんだメーカー各社から
Sn-Cuの組成を中心に、いろいろ出ています。

※特許対策のためか、各社、成分が異なります

組成については、各はんだメーカーに直接問い合わせられたほうが
良いと思います。


では、明るいはんだ付けを!