こんにちは、はんだ付け職人です。

今日は久しぶりに、はんだ付け現場で実際に起こった問題を
紹介しましょう。

リーマンショック前の2年前に、講習に行ったときのお話しです。
最近、光学用の部品やLEDなど
熱に弱い部品のはんだ付けを行う機会が多くなってきました。

ご存知のとおり,LEDは耐熱温度が低く
300℃を超えると壊れてしまうものが
ポツポツ発生します。

このため、管理する側としては
コテ先温度を約295℃に抑えて
はんだ付けするように・・との指示を出されていました。

おかげで、LEDの不良発生は、ほぼ0に抑えることが
できるようになりました。

ところが、このコテ先温度条件を
そのまま、はんだ付けの全工程に横展開してしまったために

現場サイドでは、圧倒的に熱量が不足してしまう
状況に陥ってしまいました。

窒素フローや高熱容量のハンダゴテを導入してみましたが
大き目の部材やグランドパターンの上では

ハンダが思うように溶けないので
コテ先の上で直接ハンダを溶かしてから塗りつけてみたり

管理者の目を盗んでは、コテ先温度をそっと上げて
はんだ付けしたり・・と涙ぐましい努力をされていました。

それでも、はんだ付けの出来栄えはどうしても熱不足の
イモハンダ状態であり、キレイなフィレットは形成されません。

でも、長い間そういう状態が続くと
いつもの間にか、その状況、出来栄えが
良品として会社の標準になってしまいます。


こうした問題を解決するには、
第3者がズバッと「それ、間違ってますよ」
と言えると良いのですが、なかなかそうした機会はないものです。

ちなみに、この会社の場合は、
LED以外のはんだ付けを行う場合は
コテ先温度を350℃に。

LEDでもグランドパターンにはんだ付けする場合は
320℃程度までコテ先温度を上げてやってもOKとしてやれば
うそのように問題は解決しました。

皆さんの周囲でもこうした問題が起こっていないか
第3者として助言してあげることができないか
一度見回してみてください。


では、明るいはんだ付けを!