こんにちは、はんだ付け職人です。

今週も引き続き、
はんだ付けを工程審査、工場監査の面から
考える・・の第4回目です。

ちょっと、今までの話が
抽象的過ぎた感がありますので

もう少し、はんだ付けに特化して
お話しましょう。

では、先週の続きです。


6:初回品の品質管理と初期流動管理

6-1:新商品、設計変更後の初回品、工程変更後の初回品は
    品質確認を実施しているか?

はい、なにもデータを取らずに、
品質確認も行わないまま量産に入ってしまうと
恐ろしいことが起こりそうですね。

はんだ付けに関して言えば

全はんだ付けポイントの外観検査と、
電気的な検査を実施して
(動作テストなど)

設計変更や工程変更が、
はんだ付けに影響しないことを
確認しておく必要があります。

問題点があれば、はんだ付けの条件を
見直すなどの対策を打ちます。

また、検査の結果と、何を改善したのか
その記録が見せられるようにしておくと万全です。


6-2:初期流動管理の実施事項が明確にされ、
    そのとおりに実施されているか?

初期流動管理というと、
あまり聞きなれない言葉ですが、

例えば、新製品のラインを立ち上げた際に、
初回ロットから、品質が落ち着くまでの間
はんだ付けに関しては、どういう検査をおこなうのか?

目視検査でいいのか?
実体顕微鏡を使うのか?
拡大鏡なら何倍を使うのか?

全数検査を行うのか?

電気的な検査はどうするのか?
(動作テストなど・・)

を決めておきます。

また、その結果を見ながら
製造標準類を作成することになりますので、

量産に移った際の具体的な

外観検査方法(目視?顕微鏡?)
電気的な検査
ハンダゴテの管理
はんだ付け条件
(ハンダゴテやコテ先、使用する糸ハンダ、こて先温度etc)

を決めることができる検査内容が前提です。


6-3:初期流動管理の収束条件が
    定められているか?
    また、責任者が判定しているか?

これは、いつまで初期流動品管理をやりますか?
ということを問われています。

たとえば、はんだ付けの致命的な欠陥
(未ハンダやショートなど)
が10ロット連続で0%になったら、

全数検査をやめて
抜き取り検査に移行する・・

といった収束条件のことですね。

要は一般の量産品と同じ管理にするまでには
どのような基準を満たさねばならないのか?
を決めておきます。

で、この収束条件が満たされていることを
品質の最高責任者が確認して
量産に移行します。


外観検査の方法や収束条件については
商品、製品の使用が人命に関わるかどうか
などによっても大きく変わります。

不必要に厳しくする必要はないと思います。
商品の性質によって
2つに分けても良いと思います。

では、続きはまた来週。


では、明るいハンダ付けを!