こんにちは、はんだ付け職人です。

今週は、お客様からいただいた質問メールを基にお話したい
と思います。
フィレット






ご質問の内容は

※一般的に、よいはんだ付けの目安は、富士山形状で表面が
光っていると言われますが、御社のホームページにある
「良品見本?」のイモはんだとの違いがよく分かりません。
(この良品見本は外見上光っているのでいいように見えま
すが、、、)
良いはんだとイモはんだの違いをどこで見極めるか教えてください。


というものでした。

そうですね。特に熱不足によるイモハンダの場合、正常に
フィレットが形成されているハンダ付けよりもピカッと
光っていたりしますから、見極めがとても難しいと思います。

「どのように回答しようか?・・」と考えた挙句、ちょっと今までと
違った方向から、説明することにしました。

「良品のフィレット」というと
・富士山のように・・とか
・ハンダ付け部の立ち上がりの角度が・・

などと表現されることが多いですね。

もう少し、直感的に表現してみますと、

よくハンダの濡れ(ヌレ)が良い、悪いなどと表現しますが
まさしく、水をイメージしてください。

ハンダが溶けた状態で、熱不足の馴染んでいない状態というのは
水が葉っぱの上で丸く水滴になっている状態と同じです。
熱不足イモハンダ







このまま、固まると水滴のようにピカッと光りますし、水滴の
ように丸く外側に膨らんだ形になります。

対して、フィレットが形成されている状態というのは
水を弾かない素材の上に、水をたらした状態・・
(紙や布をイメージしてください)

まさに染み込む瞬間を捉えると、母材とできるだけ広い範囲で
接触しようとしますから、裾は広がりますし、外側に対しては
凹んだような形となるわけです。

ある意味、ハンダが馴染むという事は、母材にわずかですが
ハンダが浸透しているわけですから(3~9ミクロン)

液体となったハンダが水と同じような形状になるのも
納得できます。

どうでしょう? 返ってわかりにくかったかな?

言葉の表現は奥が深いですねぇ・・。


では、明るいはんだ付けを!