787f585c.jpgこんにちは、はんだ付け職人です。

今週は、ハンダゴテのコテ先についてのお話です。

私は、前々からハンダ付け作業におけるコテ先選びの重要性が、ハンダ
付け業界でほとんど語られることがないのを、とても不思議に思ってい
ました。

当社の日常の業務では、

「ほほう・・こいつはなかなか小さいくせに熱を食いそうだな・・」
「へっへっへ・・今日はこいつでやってみるか・・」

「おっ!手強いな・・」
「では、こいつではどうだ!」

「おのれ・・これでも溶けないか・・」
「ふむ・・こいつの出番か・・」

「はっはっは、これにはかなうまい!」

・・といった風にハンダ付けの対象物によってコテ先を交換しています。

そうですね、ゴルフに例えるとグリーンまでの距離にあわせて、クラブを
選ぶ感覚に近いものがあります。

もちろん「私は、7番アイアンが得意だ!」みたいに得意なコテ先も出て
きますが、すべての作業をこなせるコテ先は存在しませんので、コテ先交
換は必然となっています。

ある意味、ハンダ付け作業の成否を決めるのは、このコテ先選びに掛かって
いるとも言えます。

「どれにしようかな?・・」とコテ先を選ぶところから、ハンダ付けを楽
しむわけですね。

慣れてくると、ハンダ付けの対象物を見ただけでコテ先の選定も一発で
決まってきます。

一発で自分が想定していたようにハンダが溶けた時には「よっしゃ!」と
思わずガッツポーズが出てしまいます。

そう、ゴルフでグリーンに見事オンさせたような・・。
魚釣りで、合わせがビシッと決まったような・・。
テニスでV字ボレーが決まった時のような・・。

感覚でしょうか。(わかりますか?)

手持ちのすべてのコテ先を試しても歯が立たないならば、初めて、別のハ
ンダゴテを選択するか、母材を温めるかすれば良いわけです。

地味なハンダ付け作業ですが、こうした小さな楽しみ方があってもいいで
すね。

すみません。前置きが長くなってしまいました。
来週は、コテ先の形状についてのお話です。


では、明るいハンダ付けを!