28aac176.jpgこんにちは、はんだ付け職人です。

ハンダゴテ選びの話の続きです。温度調節機能つきのハンダゴテは
6000~8000円程度から販売しているけれど、値段だけで選ばずに
交換用コテ先や保守部品を購入できることを考慮して選んでください・・。
というお話をしました。

温度調節機能つきのハンダゴテにも価格差がかなりありまして、
「いったいどう違うの?」という点からお話します。

1、まず、先週もお話した\6000~8000円程度が価格帯となるハンダゴテの
  グリップに小さなボリウムや温度ボタンが付いたタイプのハンダゴテが
  あります。

グリップに温度調節機構を内蔵していますので、ややグリップが大きく
なります。交換用コテ先は先端の金属部分だけとなりますので、価格も
安く600~1300円程度で、ほぼすべての形状のコテ先を揃えることができ
ます。持ち運びには便利です。

2、次に、価格帯が¥15,000~20,000円程度となる温度調節用のステー
  ションが別になったタイプのステーション型ハンダゴテと呼ばれる
  ものがあります。

このクラスのモノになると、電源に絶縁トランスを使っており、コテ先への
リーク電流などの恐れが格段に減ります。温度調節もダイヤルやデジタル式
となり容易です。 コテ部もコンパクトになりますので、どっかと腰を据え
て作業するには適しています。 ただし、逆に持ち運びには不便です。

また、交換用コテ先については、ヒーター内蔵式のものがあるので、購入前
によく確認が必要です。ヒーター内蔵式のコテ先は価格も2,000円を超えて
きます。多くのコテ先を揃えるには不利ですね。

3、さらに、この上の¥25,000円以上のクラスになると、コテ先に熱伝対が
  仕込まれていてコテ先の温度変化に対して、すばやく反応しコテ先温度
  をコントロールするようになっています。

また、コテ先温度がデジタル表示されていて、パソコンにコテ先温度の
変化状況をグラフ化して表示するものもあります。

細い小さなハンダゴテなのに高出力!という矛盾を克服するために
各メーカーが技術の粋を結集した最高級モデルとなります。

そのため、交換用コテ先や保守部品についても、性能重視の価格設定に
なっています。

したがって、特殊な用途ではんだ付け(細かいのに大きな熱容量が必要)
を行わないのであれば、あまり高額なハンダゴテは必要ありません。

実際の製造ラインで使われる場合いも、ハンダゴテの性能というよりは、
品質管理上のデーターとして管理するための意味合いのほうが強いかも
しれません。

一般の方がハンダゴテを選択される場合、1,2のクラスのもので
コテ先のバリエーションが多く、かつコテ先の価格が安くて、コテ先や
保守部品が容易に入手できるもの。というのが賢い選択と言えると思い
ます。

来週はコテ先の形状についてお話しです。

では、明るいハンダ付けを!