☆★☆★☆★☆内容=はじめまして。apple社のiBookを使っていた者ですが、初期不良で基盤のハンダ割れが起こる機種が あり、自分の使っていたiBookもそれに該当していた ようで、特有の症状とともに使用不可となってしま いました。一度はウェブ情報を見て、自分でハン ダ付けをして使えるようになっていたのですが、また症状が再発し、現在使用できない状況となっています。つきましては、専門家の手をお借りして今一度直そうと思い立ちました。☆★☆★☆★☆★
といった内容のメールをいただきました。早速見てみます…。
まずはご自分でハンダ付けされた際の患部の掃除からです。フラックスが付着していました。フラックスには、次の大きな役割が3つあります。
★金属の表面や、溶けたハンダ表面の酸化膜や汚れを科学的に除去する表面洗浄作用
(フラックスは、ハンダよりも低い温度約90℃で溶けるため、ハンダよりも
先に溶けて母材の金属表面を洗います。)
★ハンダの表面張力を低下させねばりを弱くしてハンダの濡れ(流れ)を良くする。
★ハンダコテを当てている間、金属の表面を覆い、金属の再酸化を防ぐ。
半田付けをする際に塗布したフラックスは蒸発します。また、活性化したフラックスは高い絶縁性を持ちますので、特に洗浄などは必要ありません。が、一般の方がホームセンター等で購入するニクロム線ヒーターを使用しているハンダコテはコテ先温度の調節機能が付いているものは無く、とにかく「コテ先の温度が高い」ものがほとんどです。(ハンダコテについての詳しいレクチャーは「はんだ付け講座」を御覧下さい)そんなコテ先温度が高いハンダコテではんだ付けをするとどうなるか?
当然 酸化膜に覆われていてハンダは弾かれ フラックスは一瞬で蒸発してしまいます。と、いうことでフラックスをまた塗布する→すぐ蒸発してハンダ付けができない→また塗布……という ループに陥ってしまうのです。結果、ハンダ付けした箇所はフラックスでコテコテになってしまい、ハンダ自体も馴染んでいないまま完了してしまう事になったりするわけです。
さて、付着したフラックスを洗浄液できれいに除去してからもう一度ICのピンにハンダ付けをしてきれいにハンダを馴染ませてやり手術成功です。次回は使用したハンダコテについてもご紹介しようと思います。