32164112.jpgこんにちは、はんだ付け職人です。

今週は、局所噴流ハンダ付け装置でのハンダボール発生について
掲示板に質問がありましたので、こちらでもお話しようと思います。

局所噴流に限らず、噴流DIPハンダ付けでのハンダボールの原因は
ハンダ噴流面から部品リードが離脱する際に、スルーホールや基板穴の
内壁から水蒸気が出て爆発し、フィレットになろうとする溶融ハンダを
吹き飛ばしていることにあります。

この吹き飛ばされたハンダが基板面に付着してハンダボールとして
現れているんですね。

噴流DIPハンダ槽でのハンダボール発生については 日刊工業新聞社の
【カラー図解 マイクロソルダリング 不良解析Q&A 長谷川正行著】
に詳しいですが
(いい本なのでお薦めしていますが最近なかなか見つかりませんね)

対策について引用させていただくと・・
————————–ここから引用—————————
同じロットの基板の同じ穴径のスルーホールにヤニ入り糸ハンダで
ハンダコテを使ってハンダ付けしてみます。

このとき、実体顕微鏡で観察しながらハンダ付けを行います。
ハンダが付いた後もしばらくコテを当てた状態で観察すると、基板内壁の
水分が原因の場合は火山の噴火のようにガスが出てきます。
————————–ここまで——————————-

というわけなので、基板の保存状態の見直しと、保存状態に問題がない
場合は基板メーカーの洗浄工程に改善が必要になります。

また、基板のスルーホールの中の水分は、水分単独ではなく、基板エッチ
ング液、あるいはメッキ液の洗浄不足による残留が原因となりますので、
この残留イオン物質が吸湿するとスルーホールの壁面を侵食して導通不良
となる可能性があります。

水分が原因である場合、恒温槽などで水分を蒸発させてしまう方法も
ありますが、量産の場合は苦しいですね。

フラックスや噴流槽の改善で直るものではありませんので、基板メーカーと
早急に連絡を取って改善することが根本対策となります。


当社でマザーボードのコンデンサ交換を行う時にも
PCの置かれていた場所によっては、基板が吸湿していて
激しくハンダボールが飛散することがあります。

ハンダボールの掃除・・たいへんなんですよね。
でも、こつこつとがんばりましょう。

明るいハンダ付けを!