e3a63261.jpgこんにちは、はんだ付け職人です

今週は、HAKKOさんの窒素ガスはんだコテのインプレッションです。

今回、小社でも窒素ガスはんだコテを導入することにしたのですが、きっかけは
耐熱温度290℃ 3秒間・・という熱に弱いLEDを鉛フリー仕様で
ハンダ付けする必要があったためです。

何度かHAKKOさんのFX950を使い、ハンダを溶かすことのできるキリギリ
のこて先温度300℃で試してみたのですが、点灯不良が多発。

3秒間ではどうしてもハンダ付けができません。
かといって290℃では、ハンダを溶かすことができません。

「これは、腕ではカバーできないな・・。」と窒素ガスはんだコテのデモ機を
お借りした次第です。

窒素ガス発生装置  FX780-01 ¥145,000円
窒素ガス流量計   FX791-01  ¥37,000円
窒素ガスはんだコテ FM-2026-05 ¥20,000円
に FX950やFX951が ¥24,000~37,600円

こて先が ¥2700円 と ノズル組品 ¥2,000円

一式そろえるとかなりの導入コストです。
(実売価格は 60~80%かな?・・)

まずは・・
「おっ!光ってるな・・」
最初に、こて先にハンダを溶かして付けてみた感想です。

窒素ガス無しでは こて先に付けたハンダは、すぐに酸化膜が張って曇ってしま
うのが普通です。
「これが窒素ガスの威力か・・」

さっそくコテ先温度を290℃に設定してハンダ付けしてみました。
「おお!溶ける!」

しかも、ハンダがキレイに流れるため3秒間でハンダ付けができます。

窒素ガスがコテ部のヒーター部を通って出てくるために(約200℃)
ちょうど良いプリヒート効果を生んでいるらしく、鉛フリーハンダでは不足しが
ちな熱容量をうまい具合に補ってくれます。

これは、うれしい誤算でした。通常の鉛フリーハンダ付けであれば330℃程度
でも十分ハンダ付けできます。

もちろん,LEDの点灯は全部OK。

ただし、コテ先温度は窒素ガスの流量によってかなり左右されるので、こて先温
度計は必須です。同じ330℃に設定していても流量を絞ってやるとあっという
間に 400℃近くまで上がりますし、流量を多くしてやるとコテ先温度が
下がってハンダが溶けません。

コテ先温度のコントロールはなかなか難しいと思います。

また、窒素ガス用のノズルがコテ先をカバーしているので、その分太くなります。
細いハンダコテを寝かして使いたい場合には、少々ジャマになります。
(小社では併用することにしました)

それでも、鉛フリーハンダが、簡単に溶けて共晶ハンダのように長時間ピカッと
光ったまま溶けているのは魅力です。作業性は共晶ハンダに近いものがあります。

また、導入時に一番高コストとなる窒素ガス発生装置 FX780-01ですが
あまり大きな声で言うとHAKKOさんに怒られるかもしれませんがハンダコテ
を2台接続しても使えます。

ただし、コンプレッサーの圧力が7kgf/cm2以上あることが望ましく。2台での
窒素流量が2リットル/分を超えないようにしないと窒素ガスの濃度が落ちてしまって
能力を発揮できなくなるそうです。

また、窒素ガス発生装置の内部が汚れてしまうと能力が落ちてしまうのでエアー
フィルターは必須とのことです。

こて先は高額なんですが窒素ガスのおかげで、酸化しにくいためノーマルハンダ
コテよりも長持ちします。

ただし、窒素ガスを供給するノズル組品という部品はコテ先の形状によって
違うため共用することができません。その分、高くつきますね。


用途によっては絶大の効果を発揮しますが、高額なものですからまずはデモ機を
借りて試してみられた方がいいですね。


ちなみに、HAKKOさんより利益の供与はございません。
(でも・・なんかくれるかな?・・)