efc0f61a.jpgこんにちは、はんだ付け職人です

今日は、手ハンダにおけるフラックスの塗布についての質問を
よくいただきますので紹介しておきます。

書籍【はんだ付け職人のハンダ付け講座】でも紹介しているんですが
当社では BONKOTE(ボンコートと読みます)さんのボンペンを使っています。
(利益の供与などはございません)

筆ペンのインクが入っていないものを想像していただければ
いいかと思いますが、インクの替わりにフラックスを自分で入れて使います。
フラックスの原液は購入する必要があります。

糸ハンダに含まれているフラックスはわずかです。
糸ハンダを熱して溶かすとフラックスは数秒で煙となって蒸発してしまいます。
したがって、この短い時間の間にハンダ付けを完了しなければなりません。

ところが、糸ハンダに含まれるフラックスだけでは、どうしてもフラックスが
足りない状況は起こります。
こういう場合に、フラックスを直接、母材に塗布して使います。

このとき、ひとつだけ注意しておかなければならないことがあります。

フラックスを使いすぎて(塗りすぎて)原液が生のまま残ってしまった場合、
フラックスには母材を腐食させてしまう働きがあります。

また、生のフラックスには電気的な導通がありますから、最悪ショート
してしまう可能性があります。

したがって、ベタベタにフラックスを塗ってしまってはいけません。

フラックスは熱を加えて活性化させると、透明の樹脂状に固まりますので
手で触れてもベタつくことはありません。
判断基準として知っておくといいですね。

フラックスを塗布しすぎた場合は、当社では代替えフロンを使って
綿棒やコットンなどで清掃しています。
ただし、代替えフロンも2010年頃までしか使えないので
現在、代わりとなる洗浄液を物色しているところです。
(高価ですしね。)
 
しかし、通常糸ハンダに含まれているフラックスは、ハンダが溶けてからしか
溶け出してきませんのでこういった心配は無用です。
(すぐに活性化します。)

また、活性化したフラックスは高い絶縁性を持ちますので、特に洗浄などは必要ありません。
(古い洗浄が必要なフラックスは除きます。無洗浄タイプのフラックスなら大丈夫です。)