こんにちは、はんだ付け職人です
今日は、先日のメルマガの内容についてのご質問です。
ハンダ付け側の視点からと
部品側からの視点の違いについて 熱容量的な考察をしています。
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☆質問
はんだ付け職人の小手先を当てる時間についての回答を
読ませていただきました。
この件について、質問がありますので、分かりましたら回答お願いします。
半田側からみた条件でいいますと、半田仕上がり状態の確認を行うのが
良いと考えます。
電子部品側から考えますと、部品の仕様書には、半田時間の指定があり、
半田時間の管理という問題が発生します。
そのため、例えば350℃のハンダコテを3秒以内というような管理が発生
してしまいます。
この場合でも半田の仕上がりを基準に考えたほうが良いでしょうか。
以上、よろしくお願いします。
☆回答
確かに電子部品側からの視点で考えると
温度を長時間掛けられない場合がありますね。
ただ、よほど特別な場合を除いて電子部品は
リフローやフローでのハンダ付けには耐えられるようになっており
ハンダ付けに最適な約250℃程度では壊れないようになっています。
ですので、フィレットがきちんと形成されていくのを
観察していれば、コテサキ温度が仮に350℃だとしても
そこまで部品の温度が上昇することはないはずです。
(電子部品の載っている基板にも熱が逃げていきますから・・)
また、微細コネクタなどの樹脂部が熱で溶ける場合や
熱容量の小さな部品の場合は
コテサキ温度を280℃程度まで下げてハンダ付けを行ったり
基板(母材)をプリヒーターなどで150℃程度まで温めて
260℃程度のハンダコテでハンダ付けするなど
いろいろな対処の方法があります。
いずれも熱容量の概念無しには、なかなか思いつかないかもしれません。
量産の場合、ややもすると高温のハンダコテで短時間に
ハンダ付けを完了させることを優先させがちですが
対象となる電子部品によっては、部分的にこのような手法を
取り入れる必要もあるかと思います。