こんにちは、はんだ付け職人です
最近あったご質問から回答の例を紹介しておきます。
> 早速ですが、質問させていただきます。
> プリント基板にハンダ付けされた、ディップタイプICや、フラットパッケージICを
> 抜くための、ディップ槽みたいな大掛かりな装置ではなく、多ピンを一度に加熱するコテ先を探しています。
>
> 市販されているものがありましたら、教えていただけませんでしょうか?
> また、どのような方法で抜き取り作業をされているか、教えていただけないでしょうか。
☆半田付け職人回答
DIPタイプでは基板に損傷を与えたくないので
テクノデザインのポイントソルダー
共晶用、鉛フリー用あり
(オプションのノズルが多く本体価格も安いのでお薦めです。)
やHAKKOの 487
を使用しています。
(ノズルのオプションがないので50×50限定です)
フラットパッケージでは
HAKKOの FR-803
を使うか
(ホットエアーを使った局所リフローです)
低温半田を使った
サンハヤトの表面実装部品取り外しキット
(低温ハンダには人体に有害なカドミウムなどが含まれている
可能性があります。あまり多用しないほうがいいですね。)
を基板の状態に合わせて使い分けています。
一度に加熱できるコテ先も HAKKOさんのサイトなどでは
見つかりますが、 基板に損傷を与えることがあるので
当社ではほとんど使うことはないです。
参考になりましたら幸いです。
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もう一例です。
知らないで顧客の要求どおり対策を打っていたら、おそろしく無駄な工数と費用を
浪費したかもしれない・・という例です。
> あるお客様の監査があり、メタコン、Dサブ等
> の半田付けを見て「半田後の残留フラックスを除去していない」との指摘を受けました。
> 材料はやに入り半田 千住金属M705です。
> 基板半田の場合は聞いたことありますが、部品
> 半田では初めてです。
>
> やに(ロジン)系は腐食の影響ないものと思いますが
> 除去方法も判りません。
> 御社では、このような事例はありますか?
> 何か良い方法あれば教えて下さい。
>
☆参考(お客様監査のコメント)
> 御社半田付け工程で残留フラックスが除去されていない”件について、
> 弊社品質保証部の見解をご連絡致します。
> お手数ですが、必要なフォローをお願い致します。
> ハンダの一般常識として、フラックスは除去することが必要です。
>
> 理由: 腐食の原因となり、接触不良を発生
☆ハンダ付け職人回答
最近のフラックスは ほとんどが無洗浄タイプとなっており
特に洗浄の必要はないと認識しています。
液体やクリームのフラックスを直接使わない限り
糸ハンダに入っているフラックスだけなら 熱的に活性化しているため
フラックスは耐腐食性、高絶縁性を有しているはずです。
ただ、お客さんを納得させるためには 千住金属さんに問い合わせをして
裏づけを書面でもらって 提出したほうがいいですね。
同様の質問はよくあると思いますから 回答がもらえるはずです。
千住金属工業のHP
・・その後、この質問をいただいた方は、千住金属さんからもらった
M705の性能表を客先に提出し、事無きを得られました。
このお客さんは有数の大企業ですが、こういった誤解は浸透しています。
自分の会社を守るためにも正しい知識が必要ですね。