こんにちは。はんだ付け職人の大堀です。
早速ですが外国人技能実習生の技能習得レベルを試験するための、
練習キットが販売されているのをご存じでしょうか?
技能実習生を受け入れられている企業の教育担当の方ならば、
「基礎級 電子機器組立て(電子機器組立て作業)実技試験」
というものをよくご存じのことと思います。
↓これは、そのキットの中身です。
(付属の鉛フリーはんだは0.8mmフラックス入りで長さ30cmです)
これらの部品を実技試験問題にある通りに組立てるのですが、
これがなかなか細かい指示になっています。
実際に組立てたものが下↓になります。
極めて簡潔なマルチバイブレータです。
そして、一番重要なはんだ面が下の写真↓です。
これくらいの仕上がりだと実技試験に合格することができます。
(付属のはんだは12cm残りました)
実はこの基板、一般的な基板には必ずあるレジストがありません。
その分、ランドからパターンへはんだが流れます。
この流れ量も規定されていて2mm以下でないといけません。
その他にリード線の折り曲げ方向やリード線の寸法、部品の取付方法、方向と表示など、
きめ細かく指示されており、その通りに組立てなければなりません。
正直言って、教育担当者で見本を作ることは難しいと思います。
そこで、弊社ではこの基板の見本を作ることにいたしました。
もし、見本でお困りの際は是非弊社までお問合せ頂ければ幸いです。
(出張講習はこちらをご参照下さい)
★☆★☆★ ここからはエラーを紹介します ★☆★☆★
●抵抗編(2021.03.16)
↑これらの抵抗は全てアウトです。
上から2番目は良さそうに見えますが、向きが間違っています。
他は左右のバランスが悪い、無理な力が抵抗に加わっている、
浮いている(部品の浮きは0.5mm以下)などの不備があります。
たかが抵抗、されど抵抗。
ダメなものはダメですので、試験では合格できません。
↓はんだ面です。
電気的には導通していますが、フィレットも出来ておらず全てに問題があります。
これで合格は難しいです。
●LED、ダイオード、トランジスタ、電解コンデンサ編(2021.03.22)
部品が大きくなると歪みが大きくなりますので部品の配置は重要です。
黄色い絶縁チューブはただ単に入れればよいと言うものでは無く指示に従いましょう。
ちなみにこの様な部品配置であっても部品の極性は合っていますので回路としては正しいです。
●部品の折り曲げ、端末処理(2021.3.24)
この様な折り曲げや端末処理では合格することは難しいでしょう。
しかし、このままはんだ付けしても回路は動作します。
要は、ただ繋がっているだけではなく、不具合が発生しにくい様に、
部品を配置し、規定通りに端末処理して、はんだ付けを行い、
所定通りに完成させる事を目的にしています。
★☆★☆★ そして次のステップへ ★☆★☆★
この基礎級に合格すると、さらに次のステップがあります。
それが、随時3級 電子機器組立て(電子機器組立て作業)です。
また、専用の講習会も開催されています。
技能実習生の教育には心強い存在です。