こんにちは。はんだ付け職人の大堀です。
今回は、ご依頼品の作業を開始する前にどうしても調査や診断が必要になる場合についてお話します。

通常はお問合せ頂いた際に、お写真やお問合せ内容から作業工程を組上げてお見積を出させて頂くのですが、ご依頼品は常に「一点もの」というお品が多いため画一的なお見積を出すことができません。

また、写真では判明できない場合も多々あります。
例えば接触不良ではんだ付けのご依頼だったのが、現物を確認すると端子が融けて無くなっている(修理不可)状態だったとか、

スイッチ部分の修理との事が、パターンやはんだ付け部には問題が無く、スイッチ自体が壊れていた場合など、多種多様です。

このため弊社では、有料になるためご依頼者様のご了承のもと、必要に応じて作業を行う前に不具合部分の診断や調査を行います。

これはとても大切な事で、ご依頼者様は修繕できると思われていても実際には修理ができない事態になるものもあります。

例えば、修繕の見込みがないのにとりあえず作業してみて、結果的に不要な費用を支払わなければならなかったりすると、ご依頼者様は感情的(怒る)になってしまう事でしょうし、我々も気分が滅入ってしまいます。

この様な事例が過去にありました。
当初は基板に実装されている表面実装タイプのコネクタが取れてしまっただけなので、取り付けてほしいといった作業ご依頼だったのですが、現物を確認するとコネクタの周辺部品も無くなっていて元の状態がわからないものでした。

ランドやパターンが無い状態でチップ部品類も一掃されている。
この様な場合、弊社はメーカーではございませんので部品表どころか回路図すら持っておりません。すなわち、再生や修繕はできないことになります。

と、ご説明しても修理して欲しいと言われます。。。

適当にパターンを修正して、適当な部品を実装し、
はい、結果はダメでした。

などと言うことはできません。
そのために診断や調査を行っています。
何卒ご理解下さいますようお願いいたします。