こんにちは、はんだ付け職人です。

今日は、鉛フリーはんだの仕上がり状態についてのお話です。
(表面が白っぽくなる)

鉛フリーはんだの特徴として
仕上がり状態が、鉛入り共晶はんだに比較して
白っぽくなるのはご存知だと思います。

この原因は、はんだが冷却して固まる際に
スズ(Sn)が結晶化してはんだ表面に微細なシワが
出来るためです。

ところが、同じ基板上であっても
よくよく観察すると

「あれ?・・ここはピカッと光ってる」
という箇所がいくつかあると思います。

はんだ付けのことを良く知らない方がこれを見て

「ここは、ピカッと光ってるじゃないか」
「他のポイントもピカッと光るように仕上げなさい!」

「鉛フリーはんだでも、ちゃんとはんだ付けすれば光るんじゃないか」
「白っぽいポイントはイモはんだじゃあないのか?」

という誤解をされるかもしれません。


実は、このスズ(Sn)の結晶化は
ゆっくり自然冷却した場合に発生します。

冷却のスピードによって
白化したりしなかったりするものです。

こちらに比較写真を掲載しました。


白化とピカッ
上の写真は
自然冷却したもので
左はスルーホールのみのパターンで
ゆっくり固まったため、完全に白化しています。

右は周囲がGNDに囲まれているため
放熱が効率よく行われたのでしょう。
ほとんど白くなっていませんね。


片側白化
真ん中の写真は、右側だけが白くなっています。
これは、左側に基板の回路を形成するパターンが
伸びているためで、ここから放熱したために
早く冷却したと考えられます。


急冷ピカッと
一番下の写真は、完全にピカッと光っています。
鉛フリーはんだだとは、言われなければわからないでしょう。

これは、はんだ付け直後に送風して急冷したもので
(よく見ると、風でフラックスが吹き飛んだ痕跡があります)
スズ(Sn)が結晶化する暇を与えなかったものです。


写真のはんだはすべて、Sn-Cu-Niー(Ge)です。
どうしてもピカッと光らせたい場合は
参考にしてください。

では、明るいはんだ付けを!