こんにちは、はんだ付け職人です。
今日は、ちょっと企業の方寄りの情報になりますが
ハンダゴテの始業点検についてお話します。
ハンダゴテの始業点検・・あまり一般の方はしないと思いますが
企業で電気製品を製造されている方は、製品の品質を保証する上で
重要ですね。
セミナーでたまに見かけるのですが、昔に作成した始業点検表を
そのまま使っておられる場合があります。
温度調節機能のない昔の電源コード直結型のハンダゴテの場合は
絶縁抵抗とコテ先温度を管理項目に挙げられていることが多く、
実際、これで間違いはありません。
しかし、最近、温度調節機能つきのいいハンダゴテを導入された
場合は、ちょっと事情が変わってきます。
というのも、ステーション型の温度調節型のハンダゴテには
絶縁トランスが使われており、そもそも絶縁抵抗を測定できる
構造にはなっておりません。
JIS規格も、数年前に改定されており、絶縁トランスを使った
ハンダゴテには絶縁抵抗の項目はありません。
ところが、これを知らないまま、旧式の始業点検表を使われている
企業さんが、まだちょくちょく残っています。
「昔から、これに決まってるんだからしようがない!」
・・と(故)丹波哲郎氏のようなことをおっしゃいます。
(見たもんはしようがない!・・ってやつです。)
絶縁抵抗計(メガ計)で測定すると、何がしかの数値が出るんですが
これは、測定できておりません。
どうしても、測定したい場合は、方法があるのですが
手間も掛かる上に、意味がありません。
現在、絶縁トランスを使ったステーション型のハンダゴテには
リーク電圧 (2mV以下であること)
コテ先とアース間の抵抗 (5Ω以下であること)
という基準が一般的です。
これを手軽に測定するには便利な測定器があります。
//www.hakko.com/japan/products/hakko_fg101.html
でも、高くてなかなか買えないんですよね。(定価97,650円)
ぜひ、もう少し安いやつを作っていただきたいです。
(おこられるかな?)
もし、あなたのお客さんで、まだ古い基準の始業点検表を押し付けて
こられる所がありましたら、
「今のハンダゴテはね・・」
と教えてあげてください。
「おっ!勉強してるな!」と思ってもらえるはずです。
では、明るいはんだ付けを!