64312a17.jpgこんにちは、はんだ付け職人です.

さて・・今日はリード線やエナメル線などの予備ハンダなどに使われる
ハンダポットについてのお話です。

特に鉛フリーハンダでハンダポットを使っていると、ある日突然
溶融したハンダの表面に、酸化膜とは異なる皮膜ができることがあります。

この皮膜は表面を掃除しても掃除してもすぐに形成されるため
連続して予備ハンダを行いたい場合、非常に邪魔になります。

この皮膜の原因は、銅成分の濃度が高すぎることにあります。
(結晶化して析出しているんですね。)

以前にも、銅食われの話をしたことがありますが、リード線やエナメル線の
銅がどんどんハンダポットのハンダの中に溶け込んでいきます。

ハンダポットはDIP槽などと比べて容量が小さいですから、多量の
予備ハンダ処理を行うと、あっという間に銅成分の濃度が上昇してしまいます。

銅成分は0.85%を超えるとハンダ自体が脆くなってしまいますので
DIP槽などでは定期的に成分分析を行い、銅の入っていないハンダ
を補充して銅成分を管理するのですが、ハンダポットではこのような
管理をすることが難しいですね。
(こういった情報自体、あまり知られていないようです。)

成分分析には時間もコストも掛かりますし、小さなハンダポットでは
銅なしのハンダを入れる分量を管理することも困難です。

手っ取り早いのは、ハンダポットのハンダを総入れ替えすること
なんですが、ハンダの値段が上がった今日、その費用を製造コストに載せる
ためには、見積もりの時点で考慮しておく必要があります。

「しまった!」と後で後悔しないためにも、こうした知識は持っていた
ほうがいいですね。

では、明るいハンダ付けを!