こんにちは、はんだ付け職人です。
これまた2005年の記事ですが、融点が高い鉛フリーはんだを使用するには
「コテ先温度を上げる必要がある・・」といった表現をしていますね。
当時の私は、まだフラックスと母材、コテ先温度の関係性や
コテ先の酸化についての知識が不足していたために、
誤解を与える表現をしてしまっています。
当時は、鉛フリーはんだに適したハイパワーのハンダゴテは
まだ登場していませんでした。
今なら
鉛フリーはんだを導入するなら
・コテ先温度は、低めの340℃程度で使用
・ハンダゴテは、できるだけハイパワーのものを用意
・コテ先の状態(酸化していないか?)に、細心の注意
・細めの糸はんだ
・太目のコテ先
・母材を余熱
・窒素ガスフロー ハンダゴテ
・高周波ハンダゴテ
といった点に注意するようにアドバイスさせていただきます。
現在では、予熱するための小型ホットエアーや、ホットプレート、遠赤加熱器など
いろいろ便利な道具が出ています。
いい時代になりました。
********************以下 2005年3月12日の記事***********************.
実際に使ってみた事のある方は ご存知ですが SnAgCu(スズギンドウ)にしろSnCuにしても
共晶半田に比べると
①融け難い
②濡れが悪くて広がりにくい
③粘度が高く ダンゴ状態になりやすい
④コテを離すや否や 固まる(早い)
⑤表面が白くなって ツヤがないため イモ半田と見分けにくい
などの特徴があって 初めてPbフリー半田を使った場合「 なんやこれ?」と感じる方が
大半かと思います。当然 半田付けに掛かる時間 手直しに掛かる時間も大幅に増え
Pbフリー半田に変えた途端 ガクッと 生産性が落ちたのではないでしょうか?
これは ひとつ大きな要因として Pbフリー半田の融点が 共晶半田に比較して
約40℃も高いため 半田コテの持つ熱容量が圧倒的に不足することにより起こります。
半田付けを 今までやってきた方は 経験上なんとなく 熱量が不足していることが
わかるので コテ先温度を上げたりして対応するのですが これだけでは 不充分なことが
ほとんどです。
基板や部品端子の温度も約40℃上げてやる必要があるわけですから 基板や部品の持つ
体積が大きければ大きいほど 大きな熱容量が不足します。 基板の半田付けでは
それまで使っていた半田コテでは Pbフリーに変えた途端 まったく半田が融けなくなることも
めずらしくありません。
これを解決するには この不足した熱容量を補充してやればいいわけですから プリヒーターや
ホットプレート あるいは温風などを当てて 基板や部品を40℃以上の温度まで
上げてやれば良いのです。
今のところ そのような専門の 「温め機」はないと思いますので 作業する方一人一人に
設置できるような 安価な予熱器が販売されれば 飛ぶように売れるのではないかと考えてるのですが
どうでしょう? メーカーさん造ってくれないですかねえ・・