皆さん、こんにちは。お茶@はんだ付け職人です。

今回の作業例はスズキ車に使用されているECU、33920-81CAです。
ジムニーシエラのものだそうです。

当初ご連絡頂きました症状は
 ・エンジンが始動しない。(ECUが原因らしい)

おそらく機械面の点検で異常が見つからなかったのでしょう。

CIMG2095

 

CIMG2094




ECUをあけてみたところ・・・

CIMG2096



液漏れとそれにともなう回路パターンの腐食がありました。
本来は・・

CIMG2096-1



このようなパターンのはずですが電解液の侵入と腐食で黒く染まってしまい境界線が分かりませんね。
腐食しているということはパターンが消失して断線状態にある可能性があります。

これを修正していきます。
腐食して変色のあるパターンをデザインナイフで削って銅箔があるか確認していきます。
パターンが腐食しきって断線があればリード線などで修復します。

CIMG2108



修復後の写真です。
断線していた箇所にリード線がはんだ付けされています。
また腐食が表面だけで銅パターンが残っている箇所には、はんだメッキを施して
銅パターンの保護を兼ねて痩せた分を補います。
銅やはんだがむき出しの状態ではショートしてしまう可能性がありますのでレジスト復活材を複数回重ねて塗って保護します。

残念ながら、こうしたECUのコンデンサ交換や回路修復作業で症状が必ず直るわけではありません。
漏れ出した電解液を通じてショートしてしまってICが破損してしまったりすると修復が出来ないことがあります。
ICが汎用品で間に合うものであればご用意できることもあるのですが・・
専用部品で入手できない場合は該当部品が含まれる同じユニットをご用意して頂かなければなりません。

部品が入手できなかったり、パターンの消失が著しくもとの形が分からないなどの理由により作業が行えない場合は
診断料+送料+消費税をお願いしております。

作業が可能な場合の費用としましては
作業代+部品代+送料+消費税
別途費用:部品代・回路修復代(500円/1箇所)

2025年現在では 18,000~39,800円程度(税別)ほどかかってきます。
 ※回路修復やコンデンサの点数で変動します。

[お願い] 
人命にかかわるECUの修繕に関しては個人様からのご依頼受付ができません。
必ず整備工場経由でご依頼頂きますようお願いいたします。

「おおよその金額が知りたい」「これは作業してもらえるの?」など
気になることがございましたら、お気軽にお問合せください。


ご検討頂く際にご注意頂きたいのが
上記にもございますが「必ず直るわけではない」と言う点です。
IC内部で破損があった場合、筐体が膨張しているなど外観に異常がない限り発見することが出来ません。
虱潰しに交換していくことも出来なくもありませんが費用が嵩んでしまう上に部品入手の問題も出てきます。

十分ご検討頂きリスクがあることをご了承頂いたご依頼のみお受けさせて頂きます。
こちらからお問い合わせ下さいませ。