こんにちは、はんだ付け職人です。
さて今日は、最近、私がお客様と話をしていて、
「意外な盲点だな」と感じた「イモはんだ」についてのお話です。
「イモはんだ」と言いますと、広く一般の方にも
比較的なじみのある、はんだ付け不良の代表ですが、
実は大きく分けて2つの「イモはんだ」があります。
すなわち、
1:熱不足によるイモはんだ(馴染み不良)
2:加熱しすぎによるイモはんだ(オーバーヒート)
の2つです。
※こちらに、はんだ付け良品サンプル、オーバーヒートサンプル
熱不足サンプルの写真をUPしました
https://godhanda.co.jp/blog/52330581-2/
どうでしょう?
まったく発生原因が逆なのに気づかれたでしょうか?
一般的に「イモはんだ」と呼ばれる場合、
どちらのモードの不具合なのかを区別されることは少なく、
両方をひっくるめて、
単純に「イモはんだ」と表現されることが多いようです。
このため、指摘する側(指導者や検査する方)が、
2つのイモはんだを、明確に分けて指摘しないと、
指摘を受けた方が、
逆に解釈してしまうケースが発生します。
たとえば、熱不足によるイモはんだ(馴染み不良)の場合は、
十分な熱容量を持つハンダゴテで再加熱してやれば、
修正することが可能です。
逆に、オーバーヒートが原因のイモはんだの場合は、
1:こて先温度が高すぎないか?
2:長時間コテ先を当てすぎていないか?
3:コテ先の形状が母材にマッチしているか?
4:フラックスを塗布する必要があるのではないか?
5:コテ先が酸化していないか?
など、いろいろチェックする項目があり、
修正するにも、いったん古いはんだを除去するなど
熱不足の場合とは、まったく正反対の対応が必要になります。
「イモはんだだね。」と指摘された場合、
初心者の場合は、どちらの対策を採ればいいのか
区別がつかない事が多く、修正しようとして
さらに悪化させることが少なくありません。
指導者の方は、留意しておいてください。
では、明るいはんだ付けを!