こんにちは、はんだ付け職人です。
今日は、ミューフィーダー(μFeeder)【千住金属工業株式会社製】
という糸はんだ供給機のインプレッションです。
2年くらい前にも少し紹介させていただいたことがあり、
既に多数流通していますので、
知っておられる方も多いと思いますが、
先日、ミューフィーダーの意外な効用について
知ることが出来ましたので報告させていただきます。
(利益の供与はございません)
まず、ミューフィーダーとはどういう商品なのかを
説明いたしますと、写真はこちらです。
見た目は、シャープペンシルそのもので、
エンピツの芯の替わりに、糸はんだを供給することができます。
後端に小さなボビンがあり、ここに糸はんだが
少量巻いてあり、糸はんだを連続供給することが可能です。
糸はんだの太さに応じて、
φ0.3、0.4、0.5、0.6、0.8mmのタイプがあり
必要に応じて選択可能です。
さて、何が意外な効用だったかと申しますと、
先週、当協会で実施した講習会と検定で、
左手を使うのに慣れておられない方がおられ、
微妙に震えてしまう方がいらっしゃいました。
「私の人相が悪いからか?」と場を外してみたり
しましたが、治まる様子がありません。
手の震えは、大きな母材にはんだ付けする場合には、
ほとんど影響しませんが、SOPやQFP、
小さな表面実装部品をはんだ付けする際には、
致命的な影響を与えます。
というのも、糸はんだの供給ポイントというのは、
非常に重要で、上記のような小さな部品の場合、
供給ポイントが、0.5mmずれると、
正常なはんだ付けができなくなります。
例えば、SOPの端子を基板に実装する場合、
コテ先をSOP端子と基板のランドの両方に当たるよう
コテ先の選択と当て方の工夫が必要です。
その上で、最初に糸はんだを供給するピンポイントは、
コテ先と、端子とランドの全てに接触する箇所になります。
これが、わずかにずれて糸はんだがコテ先だけに触れて
しまいますと、糸はんだはコテ先上で丸くなり、
その間に、端子とランドの酸化が進んでしまいます。
この震えを抑えるのに、ミューフィーダーは
絶大の効果を発揮しました。
それまでにも、「脇を締めて」「左手を置く台を設置」
「基板を机上に貼り付け、左手を机上に固定」など
いろいろ試しましたが、
「もしや・・」と思って手渡したミューフィーダーが
功を奏しました。
ご本人様も「これが無かったら、合格できませんでした・・」
とホッとしておられました。
というわけで、微細なはんだ付けの際、手の震えに
悩まされている方には、お奨めです。
では、明るいはんだ付けを!