こんにちは、はんだ付け職人です。
今日は、鉛フリーはんだを使用した
極細線のはんだ付けで問題となる食われについてのお話です。
何度か、ご質問をいただいていたのですが
なかなか、良い対策がわかりませんでした。
先日、ひとつ方法を知る機会がありましたので
紹介させていただきます。
太さがφ0.1mm以下の銅線やエナメル線では
ほんの数秒の予備ハンダやはんだ付けの時間に
銅食われにより、線自身が痩せて細くなってしまいます。
元々、細い線ですから食われによる部分的な痩せが生じると
その部分から簡単に折損してしまいます。
(顕微鏡で観察すると段差が生じています)
参照写真
銀を多く含んだ、食われを抑制するハンダなども
市販されていますが、顕著な効果がなく
困っていました。
この食われを抑制するためには
約260℃程度でのはんだ付けが効果があるようです。
特にエナメル線では、エナメルを焼いて被覆を処理するために
420℃以上の高温で予備ハンダされることが多いのですが
被覆は薬品で処理して、
予備ハンダをコテ先温度を約260℃で行います。
また、何らかの端子にはんだ付けする際も
溶けたハンダの温度が260℃を超えないように
コテ先温度を調整してやります。
(接合強度を確保するために250℃は必要です)
このための条件(ハンダゴテの選定など)出しは
なかなか難しいですが、言われてみれば
「あーなるほどなあ・・」と、うなずけます。
参考になりましたら幸いです。
では、明るいはんだ付けを!