こんにちは、はんだ付け職人です。
今週は、先日お客様のところに伺った際にお聞きした不具合の
お話です。
そのお客様は、通信関係の機器を設計・製造されていますが
納品した機器に、数年経って不具合が発生しました。
原因は、1005サイズのチップ抵抗のクラックだったのですが
直接の原因はハンダ付けにありました。
そのお客様では、電子部品の実装を自動実装で
行っておられたのですが、おそらく手直しをされたであろう
痕跡を残していました。
チップ抵抗を手直しなどでハンダ付けした際に、たぶんパターン
から浮いた状態になったので、加熱しながらチップ抵抗をピンセットで
押さえたらしく、このときに、クラックが入ったものと思われます。
クラックも完全に断線していれば、電気的な検査で検出されますが
導通がある状態ですと、検出されずに、客先に納品されてしまう
ことになります。
・・で、経年変化で導通が悪くなって、発熱して、焼損または
断線に至ります。
こうした、小さなチップ部品(抵抗やコンデンサなど)の手実装
では、よく起こりがちな不具合です。
このお客様は
「こういう手直しの方法も標準化して、ちゃんと教育せんといかん。」
ということから、私に相談があったのですが、
やはり・・と言うべきか、実際の作業をされている方の中には
けっこう、ピンセットでチップ部品を押さえておられる方も
いらっしゃいます。
小さな、抵抗やコンデンサは硬そうですしね・・。
押さえる力加減などは、わかりにくいと思います。
イメージとしては、水に浮かぶ木片をそっと沈めるような
感じです。
あるいは、チップ両極のハンダを同時に溶かしてやれば、
表面張力で勝手に正しい位置に戻ろうとする力が働きますから
触れないほうがいい場合もあります。
いやあ・・やっぱり不良の話は暗いなあ・・。
では、次回は明るいはんだ付けを!