こんにちは、はんだ付け職人です
今週は、【はさみハンダ】についてのお話です。
以前から、ステンレスのハンダ付けなんかでは「はさみハンダでないと
ハンダ付けできない。」みたいな話を巷で聞くことがありました。
近年、「鉛フリーハンダには【はさみハンダ】だ!」といった話も
よく見聞きします。
「なんじゃ?そりゃ?」という方に簡単に説明いたしますと
1:糸ハンダを先に母材に当てる
2:コテ先と母材で糸ハンダをはさみ込んで加熱し
ハンダ付けを行う
という手順でハンダ付けを行う方法なんですが。私が前に述べたシャドー
ハンダの項でやった基本動作とは異なる技法です。
要は、糸ハンダと母材を一緒に温めて糸ハンダが溶けたら
そのままハンダを流す・・という方法ですね。
このはさみハンダの利点は
☆ フラックスを100%活用できる
☆ コテ先の熱を無駄なく使える
☆ 部品の熱し過ぎによる、熱破壊が起こりにくい
と一見すると「なんだ パーフェクトやん!」とも思えます。
小さなチップ部品なんかの場合、とても有効な方法です。
ただし、母材が大きくて熱容量を多く必要とする場合は
ハンダが流れてフィレットが形成される前にフラックスが蒸発
してしまう場合があります。
こういった場合は、はさみハンダで少量のハンダをまず溶かして
コテ先と母材との接触面積を増やした上で、母材を十分に温め
あらためてハンダを供給する・・という手法をとることが多いです。
この場合は、少量のハンダを溶かすまでは【はさみハンダ】で・・
その後はシャドーハンダの基本動作で・・
という形になりますね。
(慣れた方は無意識にこうした手法を使っておられます。)
「自分はどうやってるのかな?」と一度ハンダ付け動作を見直してみると
おもしろいかもしれません。
では、明るいハンダ付けを!