42527f55.jpgこんにちは、はんだ付け職人です

先々週以来続いている鉛フリーハンダを使ったハンダ付けが
「なぜ難しく感じるのか?」
「作業性を改善するにはどうすればいいのか?」
の話の続きです。

先週は糸ハンダを細くするという話でしたが
ハンダコテについては、コテ先を形状はそのままに太いものに変えてやる。
・・ことが、たいへん効果があります。

これは、コテ先の体積が増える→コテ先に蓄えられる熱量が増える。
・・ためですからわかりやすいですね。

糸ハンダにしてもコテ先にしても、一見したところさほど体積に変わりは
ないように思えますが、この2点を改善するだけでほとんどの場合、コテ
先温度を上げることなしに、快適に鉛フリーのハンダ付けができるように
なります。

鉛フリーハンダでお困りの方は、一度試してみられることをお薦めします。

具体的には、HAKKOさんのハンダコテで言うと、たとえば936の
シリーズにはS,M,Lサイズのハンダコテがあるんですが、正直なところ
Sサイズでは薄い基板や小さなピン端子くらいしかハンダ付けできません。

でも、たとえば同じ2C(φ2mm丸棒を斜めカット)のコテ先でも
MサイズやLサイズのコテを選んでやると熱容量は「ええ?!」というほど
大きくすることが出来ます。

世界的に経済状況が怪しくなって、新しいハンダコテの導入には慎重な
意見が多いかとも思いますが、まずは少予算で実験できるところから
比べてみてはどうでしょうか。

鉛フリーハンダでお悩みの企業さんのほとんどは、足りない熱容量のハンダ
コテで無理やりハンダ付けをしようとして、コテ先温度を上げたり、基本から
外れたハンダ付けをしておられます。

おそらく、現場からは「できない。」「難しい。」という声が上がっている
はずですが、上層部にハンダ付けに対する正しい知識がないと

「腕が悪いからだ。」「こうやったらできるじゃないか。」
・・と根本原因がハンダコテにあることに気がつきません。

最近ではデモ機を貸してくれるメーカーも多いですし、費用をさほど掛けずに
試すことが可能です。現場で使ってみれば答えはすぐにでますね。

これでダメなら、さらに熱容量を補うために窒素フローハンダコテを試したり
プリヒーター(母材全体を余熱します)を試したりしていくわけです。

要は『不足する熱容量をいかにして補うか?』が鍵になるわけですね。


では、明るいハンダ付けを!