こんにちは、はんだ付け職人です
今週はハンダコテのコテ先の掃除についてのお話です。
疎かにされがちなコテ先の掃除ですが、ハンダ付けではかなり重要な要素です。
ハンダ付けをするとコテ先には、酸化してオーバーヒート状態になったハンダ
クズや、焼けたフラックスのカスなどが付着します。
コテ先にこういったクズやカスが付着したままハンダ付けを行うとイモハンダや
ツノ、異物を含んだハンダ不良などになってしまいます。
はんだ付け講習で「では、一度やってみてください。」と言いますと、かなりの
確率で「待った!ちょっと待ってください。コテ先を掃除してください。」
と叫ぶことになります。
特に、360℃以上の高温ではんだコテを使われている場合は、ほんの数秒で
コテ先を酸化膜が覆ってしまいます。酸化膜の覆ったコテ先は溶けたハンダを
弾いてしまうため、極端に熱が伝わらなくなります。
そこで、基本的には1ポイント ハンダ付けするたびにコテ先の掃除を行います。
(連続してハンダ付けを行う場合は、そこまでする必要はありませんが・・)
コテ先の掃除には水で濡らしたスポンジを使うと便利です。
たいていはハンダコテに付属のコテ台についていますので、これを水で濡らして
使います。このスポンジは、水が滴るほど水を含ませてしまっては、高温のコテ
先を水に漬けているのと同じことになってしまい、急激な温度低下を招きます。
これでは、コテ先に付着したハンダが固まってしまって掃除できません。また
コテ先にも熱衝撃を与えてしまうため、寿命も短くなってしまいます。
スポンジは指でつまんでも水がポタポタと落ちない程度まで絞って使います。
また、スポンジにはV字の溝をカットしたり丸い穴を開けたりして、スポンジの
角の部分を使って掃除するようにすると掃除がしやすくなります。
はんだカスをこそげ落とすようなイメージですね。スポンジの平面にこすり付け
るとせっかく掃除したコテ先に、再びはんだカスが付着することが多くなります。
コテ先は常にピカッと光っていることが重要です。酸化膜が除去できなくなって
しまったコテ先は、コテ先復活剤などである程度復活させることが可能です。
昔のハンダコテのようにヤスリで削ってはいけません。せっかくの鉄メッキと
はんだメッキが消失してしまいます。
また、コテ先の酸化を防ぐにはコテ先をキレイにしたまま高温で待機させずに
溶かしたハンダで覆っておき、使うときに覆っていたハンダを掃除して使用する
ようにするととかなり効果があります。