こんにちは、はんだ付け職人です。
今日は、ちょっと珍しい写真をご覧いただきます。
ハンダゴテのコテ先を真っ二つに切った断面の写真なのですが、
どちらも3C型のコテ先です。
芯材の純銅の部分は、明らかに銅の色をしていますのでよくわかります。
その周囲を覆っている銀色の部分は鉄メッキです。
左がgoot製コテ先、右がHAKKO製コテ先なんですが、
鉄メッキの厚みの違いがよくわかりますね。
※どちらが優秀だという話をするためではないので
誤解無きようにお願いします。
一般的に、銅は鉄に比較すると熱伝導性に優れるため、
鉄メッキは薄い方が熱効率、コテ先の応答性は良くなります。
ただし、鉄メッキが厚い方がコテ先の寿命は長くなります。
(食われに強くなります)
海外のハンダゴテメーカーの中には、「熱効率と応答性の速さ」を
売り文句にしているところがありますが、実は鉄メッキが薄くて
コテ先寿命がとても短いものがあります。
(ランニングコストが高くなります)
逆に「鉛フリーでもコテ先寿命が長い」を謳い文句にしているところは、
鉄メッキを厚くして、熱効率を無視しているようなメーカーがあります。
(新興国に多いようです)
ご覧いただいた断面写真からわかることは、
以前、gootさんの製造ラインで、
「我社の鉄メッキ厚は他社の3倍はあるので長持ちします」
とお聞きしたことがありましたが、まさしくその通りで、
これだけの鉄メッキ厚がありながら、現在のハンダゴテの
「熱効率と応答性の速さ」を実現しているのは凄いことです。
また、HAKKOさんの鉄メッキは非常にメッキ厚が均一で
決して薄いわけではありません。
「熱効率と応答性の速さ」を狙っていることが良くわかります。
コテ先ひとつ取ってみてもメーカーの考え方がわかるという
良い例だったのではないでしょうか?
お役に立てば幸いです。
では、明るいはんだ付けを!