元々、ゴッドはんだでハンダゴテセットを販売しようと思い立ったきっかけは、
10年前にさかのぼります。
WEBではんだ付けの正しい基礎知識を発信して啓蒙をし始めると、
すぐに一つの壁に突き当たりました。
それは、当時は一般の人が、趣味(電子工作や鉄道模型など)で
はんだ付けをやる場合、ホームセンターでハンダゴテを購入するしか方法が無く
昔ながらの温調の付いていないハンダゴテを使うのが当然だったことです。
はんだ付けの接合原理を解説し、最適の温度条件があることを説明しても
当時は、それを実行できるハンダゴテを一般の人が購入できる環境が
ありませんでした。
もちろん、交換用のコテ先などは無く、標準装備のエンピツ型のコテ先しか
選択できなかったためコテ先の形状選びが重要である・・といくら説明しても
購入できなかったのです。
そこで、広く一般の方にも温調付きハンダゴテを使ってもらえるように・・
コテ先やフラックスなどの小道具についてもセットして購入しやすいように作ったのが
「はんだ付け職人のハンダゴテセット」でした。
当時のハンダゴテはHAKKOさんの933というハンダゴテで、温度調節ボタンで
温度を固定するタイプで、グリップも細く使いやすいものでした。
数年後、法改正などでハンダゴテの材質や電源コード、グリップ樹脂の厚みなどの
変更が必要になったため、現在の「ハンダゴテセット2」にモデルチェンジになりました。
しかし、このモデルチェンジで温度調節用ダイヤルが付き、グリップも
かなり太く変更されました。
私の理想としては、女性や子供さんにも持ちやすいようにグリップは細く、
コテ先温度も340~350℃に固定したほうが、万人に使用しやすいハンダゴテだと
思いましたが、他に候補となるハンダゴテがありませんでした。
「自社で開発するしかないか・・」と考えていたところ、GOOTさんと展示会で
知り合い、コテ先温度350℃固定のハンダゴテが発売されたことを知りました。
好評で発売中のHAKKO製ハンダゴテセットに比較しても
グリップは細く、パワーも85Wあります。(HAKKOさんは47W)
すぐに試してみましたが、非常に使いやすいです。しかも値段も安い。
「これだ!」と思いました。
現在、市販されているハンダゴテの中で、一般の方が使用するには
最高の性能を持ち、値段も手ごろです。
(あくまで現在です)
長年HAKKOさんにはお世話になってきましたが、良いものは皆様に
薦めないわけにはいきません。
また、最近では、Amazonに代表されるネット通販でハンダゴテが
購入できるようになり、温調能付きハンダゴテの有効性も
だいぶ認知されるようになってきました。
「私の役目は終わったかな?」と考え始めていたのですが、
実際に数種類のコテサキ、ピンセット等周辺の消耗品もすべて含めてセットになっている
温調付きハンダゴテセット(価格約2,000円)を数種類購入して使用してみると
設定温度に上がるまでに15分以上掛かったり(GOOT製は約10秒)
2時間はんだ付けしただけで、コテ先のメッキが剥がれて使用不能に
なってしまったりで(コテ先に鉄メッキされていないor非常に薄い)
趣味に使うにしても酷すぎるものが出回っています。
(通販サイトの星評価は高いですがフェイク評価も含まれていると思います)
このコテセットを購入し、外国人研修生の方が技能検定を受験されようと
しておられましたが、制限時間のある中、温度上昇を待つ時間や、
試験中に使用できなくなる恐れがあり、ビジネスでの使用については
リスクが高い場合があります。
このままでは、温調付きハンダゴテの有効性が誤解されてしまう可能性が
高いです。
まだまだ、メーカーや世間の皆様に対して、はんだ付けの正しい基礎知識の啓蒙が
不足しているのを痛感しております。
こうした背景があってGOOT製ハンダゴテセットの販売を始めました。
よろしく願いいたします。
はんだ付け職人 野瀬昌治
☆セットの内容
ハンダゴテ温調付き 350℃固定)消費電力85W ※常に350℃にコントロールされます
コテ先 5本 2C、3C、4C、D2.4、D3.2 ※鉛フリー対応ですが共晶はんだにも使用できます
コテ置き台(スポンジ付き)
フラックス
Wick(はんだ吸い取り線)
ヤニ入り糸はんだ
☆商品の特徴
①何も設定しなくてもオートマチックに上手にはんだ付け出来ます。
②ワイヤースポンジも付属します。
③最高出力85W
※1:ベストセラー PX-201より設計が新しく、パワーが 70W→85WにUPしています。
※2:温調ボリウムが無いので、ヘタにいじって温度が狂うことがありません。
※3:温調ボリウムがないためグリップに凸凹が無く、スッキリとして握りやすい。